抽象的な「解けない問い」を、具体的な「解ける問い」に変換する
BtoBマーケティングにおいて、経験が少ない人ほど「解けない問い」を立てがちです。例えば「どうすればGoogle広告のCPAを下げられるか?」「どうすればセミナーの申込数を増やせるか?」とかですね。
経験豊富な人であればこうした問いにも回答できると思われがちですが、実は抽象的すぎて誰にも答えられないものがほとんどです。コンサルとはクライアントの問いに答えるだけではなく、「解けない問い」を「解ける問い」に変換する仕事でもあります。
問いを解くために前提条件を追加する
「解けない問い」の多くに共通するのは、前提条件が少なすぎて「商材による」「場合による」としか回答できないことです。そこで、前提条件をいくつか追加することで、問いを解きやすくなります。以下はその例です。
ターゲットを定義する
「開発の効率化を考えているスタートアップのCTO向けのGoogle広告」「エンジニア採用に悩む大手企業の人事向けのセミナー」などと、誰をターゲットにした施策なのか、ターゲットはどんな悩みを持つのかを定義します。これだけでも問いにかなり答えやすくなります。
用語を定義する
「コンバージョン」「MQL」「エンプラ」などBtoBマーケティングでよく使われる用語(多くがカタカナや横文字)は、実は会社や人ごとに定義がバラバラなので、定義を決める必要があります。「コンバージョンは製品の資料請求」「エンプラは社員500名以上の上場企業」など。
指標を定量化する
例えばセミナーの申込者を増やすとき、
現状:20人 目標:30人
現状:40人 目標:120人
では打つべき対策の内容が変わります。前者は現状と目標の乖離が小さいため、SNSでの拡散やWeb広告出稿などを行うだけで十分に達成できますが、後者は乖離が大きいため、ターゲットを見直す、多くの人が興味を持つテーマに変える、共催セミナーにするなど、より大きな対策を行わないと達成できません。
タイムスパンを定義する
目標達成をするスパンが今月なのか、3ヶ月後なのか、半年後で良いのかによって打てる対策が変わります。今月にGoogle広告の資料請求を10件から20件に増やそうとすると、時間が足りないためLPの新規制作などは実施できません。予算を増やす、キーワードを増やすなど短期で行える施策にフォーカスするしかないでしょう。
問いを具体化することで「解くべき問い」が明らかになる
このように問いを具体化すると、「解けない問い」が「解ける問い」に変わってゆきます。そして、「Web広告を出稿すればセミナー申込は増やせそうだが、そこに予算を使うぐらいなら、申込を増やさなくても良いのでは?」と、「今は解かなくても良い問い」に変わることもあります。よく「問いに答えるよりも、解くべき問いを考えることが重要」と言いますが、こうした問いの具体化が、解くべき問いを考えることに繋がるわけです。ぜひお試しください。
私のBtoBマーケティングの仕事については下記の記事をご覧ください。
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