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大事なのは店内よりも客

『鉄鍋のジャン』の中華料理屋「五番町飯店」では月に一度、品評会があります。創作料理をオーナーの五番町睦十に試食してもらい、OKが出れば店のメニューになるのですが、中華料理の頂点とされる睦十がOKを出すことは稀です。それを知ってか、料理人は「オーナーの口に合いますかどうか…」と卑屈なのですが、この発言が睦十の逆鱗に触れ、「お客の口に合うかどうかが問題なんじゃろが」と注意します。

このシーンはさらっと流されているのですが、大事なのは客という心構えを喋っています。料理人は「睦十のOKが出ればメニュー化」という工程に気をとられて睦十の好みに囚われてしまいますが、品評会の目的は新メニューを考案してお客に食べてもらうことであり、客が喜ぶ味でないと意味がありません。

実はビジネスシーンでも似たような話があります。スタートアップは本来ユーザーが喜ぶプロダクトを作るべきなのに、

  • 投資家受けを最優先したプロダクトを作ってしまう

  • 社長のチェックが通りやすいデザインを作成してしまう

など社内や投資家を意識しすぎてしまうのです。もちろん彼らのOKが出ないとユーザーにプロダクトを届けられないので、そこに意識が行くのは分かりますが、あくまで「ユーザーに届ける価値があるか」を一次審査するためのチェックであって、ユーザーを忘れて社内や投資家だけに受けても意味はありません。気をつけたいですね。

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