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Microsoft広告を出稿する前にポリシー違反でブロックされた

Microsoft広告は2022年から日本で利用開始されました。Google、Yahooに次ぐリスティング広告として注目されており、私もたまに運用するのですが、なぜか広告を出稿する前なのにポリシー違反でブロックされる事案がありました。現在は解消されているのですが、同じ目に遭った企業のために、経緯や解消方法を記載しておきます。


ブロックまでの経緯

  • 私が取引しているクライアントA社にて、Microsoft広告を運用することになり、2023年11月にA社にアカウントを開設いただいた。

  • Aに私のメールアドレスを招待いただき、管理画面にログインできるようになった。

  • ところが、11月のある日私が管理画面にログインしようとすると、ブロックされた旨の画面が表示された。管理画面に入れないので、キーワードや広告文の設定、コンバージョンタグの発行などが全て行えなくなった。

  • A社の担当者も同様。

さらに厄介なのは、ブロックの範囲がA社にとどまらず、私が取引していた別のB社でもブロックされてしまったことです。具体的に説明すると、私が企業のマーケティング支援をする場合、

  • 企業のドメインでメールアドレスを発行いただく場合

  • 私のプライベートのメールアドレスで業務を行う場合

があるのですが、A社・B社は後者でした。なので、私のプライベートのメールアドレスで管理画面に招待されたのですが、

  1. A社の広告アカウントがブロックされる

  2. A社に招待された私のメールアドレスもブロックされる

  3. B社の管理画面に対して私のメールアドレスではログインできなくなる

と連鎖反応でブロックされ、私がB社で広告運用をできなくなってしまいました。A社でのトラブルが無関係のB社にも影響してしまったわけです(B社のアカウントは生きているので、私以外の人はログインできたようです)。

後日カスタマーサポートに聞いたところ、

  • ブロックは広告アカウント単位だけでなく、ユーザー単位でも行われる

  • ある広告アカウントがブロックされると、そこに所属するユーザーもブロックされる

  • ブロックされたユーザーは、ブロック対象外の広告アカウントにもログインできなくなる

ということらしいのですが、ブロック対象以外も巻き添えにするMicrosoftのアカウント・ユーザー管理はむちゃくちゃだなと感じました。

ブロック解消までの経緯

Microsoft広告には不服申し立てフォームというのが存在しており、ブロックされた際に再審査を依頼できます。2023年11月下旬に申し立てをしたのですが、「7営業日以内に返信します」と書かれていたのに、カスタマーサポートから最初の返信があったのは2週間後でした。しかも、「審査にお時間をいただいているので審査チームに催促しました」という進捗報告だけです。

その後、審査チームからの回答が来たのが12月中旬なので、申し立てから3週間経過しています。その回答を要約すると以下の通りです。

  • アカウントに広告の悪質なポリシー違反が見られるため、広告アカウントおよびアカウント内の全ユーザーを停止した

  • これ以上の案内ができかねる

カスタマーサポートからの文面。黒の伏せ字はクライアントのアカウント名。

こちらが広告を出稿している最中であればポリシー違反として理解もできますが、出稿する前なのにポリシー違反も何もありません。

この回答にはさすがに納得できなかったため、Microsoft広告の問い合わせ窓口に電話し、いくつか確認を行いました。最初に確認したのは「出稿前なのにポリシー違反という判断はおかしいのではないか?」ということですが、カスタマーサポートによると、

  • この文章はあくまで審査チームがテンプレートとしてコピペするものらしく、審査結果を正確に反映したものではない

  • 審査に落ちた正確な理由は審査チームからカスタマーサポートに対して開示されないため、正確な理由は分からない

そうです。だとすると、審査結果に即していない文章を審査結果として載せているわけであり、Microsoft広告の審査チームの仕事は適当なのでしょうか? 審査チームから理由が開示されないというのも、Microsoft社内の情報共有不足であって、社内事情を顧客に押し付けられるのもおかしな話です。

私も途中からカスタマーサポートの回答にかなりイラッとしてしまい、「『思います』というあなたの見解ではなく、社内で確認した結果を教えてほしい」などと社内確認を迫ったのですが、結局はメールで連絡された「これ以上のご案内ができかねる」の一点張りでした。

これ以上カスタマーサポートの担当者と話しても進展しないと感じたので、「Microsoft広告のカスタマーサポートの責任者の方と話したい」と伝えました。その方は離席していたので、折り返し連絡をお願いして終話しました。

私のようなクレーマーを放置するとめんどうだと思ったのか、Microsoftにはしては早めに折り返し連絡が来ました。最初に問い合わせ窓口に電話したのが昼11:00頃ですが、当日14:00頃には責任者の方から折り返しがありました。その方曰く、

  • Microsoft広告に登録されている会社の謄本などを確認し、本人確認がとれた

    • ※元々、Microsoft広告アカウントを開設する際に会社謄本などの提出が求められており、A社に提出いただいていました。

  • 責任者の私から審査チームに再審査の依頼をかける

  • 再審査に時間がかかるのと年末年末年始を挟むため、2週間ぐらい後の連絡になることをご了承いただきたい

とのことでした。2週間後だと1月上旬になり、11月下旬に異議申し立てを行ってから1ヶ月以上経っているため、そのスピードの遅さもどうかと思いましたが、再審査はしていただけるとのことなのでそこは了承しました。

その後、1月中旬にカスタマーサポートから再度連絡がありました。審査チームからブロック解除の連絡があったので確認してほしいとのことで、確かに正常にログインできるようになっていました。再審査した結果ブロック解除するのであれば、メールに書かれていた「徹底的な検証」とは一体何だったのか? という疑問は残りますが。

徹底的な検証とは一体?

ブロックの原因

結局、最初にブロックされた原因が開示されないまま解除されたため、原因はよく分かりませんでした。カスタマーサポートの責任者の方が謄本で本人確認がとれたとおっしゃっていたので、元々提出していたはずの謄本を審査チームがきちんと確認しておらず、なりすましや不審な事業者だと認識されていたのかもしれません。

ブロック解消の方法

前述の通り、Microsoft広告には不服申し立てフォームがありますので、ブロックされた際はまずここから申し立てを行うのがセオリーだと思います。単純なブロックミスであれば、これだけで解除してもらえるかもしれません。

申立てをした上で今回のような納得できない審査結果が返ってきた場合、私のようにお問い合わせ窓口に連絡しても進展は望めないでしょう。カスタマーサポートの窓口に出てくる担当者には何の意思決定権も無いからです。また、彼らは基本的に審査チームの内容を転送するだけなので、「審査チームを説得してください」などと社内折衝を依頼しても対応はしてくれません。今回の私の方法が再現性あるかは分かりませんが、カスタマーサポート責任者など、責任あるポジションの人間を呼び出すほうが確実だと思います。

この話を公開した理由

この話は既に解決しているのもあり、元々は書くつもりが無かったのですが、最近Microsoft広告に限らず、Web広告媒体(特にGoogleやMetaなど大手プラットフォーム)のカスタマーサポートの品質が非常に低いと感じていました。そこに警鐘を鳴らす意味で、この記事を闇に葬らずに公開しようと考えました。カスタマーサポートの品質低下については後日記事にします。


私のマーケティングの仕事については下記の記事をご覧ください。

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