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採用担当やリクルーターも業界特化する時代が来る

BtoBマーケティングで業界経験が重要になるという記事を2年前に書きました。現在では業界経験を要件に記した求人が増えており、業界特化が進んでいます。

一方で、各社のスカウトや発信記事を見ると、採用も業界経験が重要になっているように感じます。

例えば、事業会社が採用広報をする場合、自社製品に興味を持ってもらうために「市場規模」「提供価値」「導入事例」などを発信します。ところが、SIerやWeb制作会社では自社製品を持たないことが多いため、代わりに「カルチャー」「社員」などを発信します。事業会社は製品軸、支援会社はヒト軸と、訴求ポイントやコンテンツの作り方が異なるわけです。

個別の業界で見ると、建設業界や広告業界などは長期労働やブラック企業が多いため、「ホワイト企業に入りたい」「ワークライフバランスを保ちたい」のような現実逃避的な転職動機が増えます。彼らに対して「夢を実現しよう」「ミッションのために働こう」のような理想主義的なスカウトを送っても返信率が低く、「フルリモート」「残業時間◯◯時間」のようなライフスタイル向上のほうが返信率が上がります。逆にITスタートアップの場合、働くのが好きな人が多いので、「スキルアップ」とか「魅力的なビジョン」を語っても返信率は高めです。スカウトの刺さるポイントも業界によって変わるのです。

採用の汎用的なスキル(職務経歴書の書き方、スカウト文面の作り方、面談の仕方など)は各業界共通ですし、noteやSNSなどで色々解説されているので勉強も容易ですが、こうした業界特性や候補者特性はオープンに発信されていないものが多く、自分の経験などを元に学ぶしかありません。学習難易度が高い分需要は高く、業界経験を持った採用担当やリクルーターの市場価値が高まるのではないかと予想しています。

考えてみると、転職エージェントやプラットフォームでは業界特化のものがたくさんあり、業界専門のCA/RAがいるのですから、採用担当やリクルーターも業界特化するのが自然な流れでしょう。現状ですら「エンジニア採用人事」「スタートアップ専門のRPO」などがありますので、今後はより細分化し、「不動産業界専門のリクルーター」「SES特化の採用担当」などが増えるのではないでしょうか。


私の採用の仕事については下記の記事をご覧ください。

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