93【資本性劣後ローンが企業を救う。】地方在住経営コンサルタントの思索
写真は倉敷市玉島の羽黒神社におられる大黒様です。本日は大黒様にちなんだ甲子(きのえね)の日でしたね。
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はじめに
いきなりですが、実質的に債務超過に陥ってしまっている企業はどれくらいあると思われますか?
一説によれば50%近いと言われています。
しかし、この由々しき事態に一筋の光明が差し込んでいます。でも、その存在はびっくりするくらいマイナーで知られていません。
その名を「資本性劣後ローン」と言います。ご存知でしたか?
わが岡山エリアでは
ちょっと、温度感のある、わが地元岡山エリアでのお話をさせていただきたいです。
独自の調査ではありますが、全県約190万人の人口で、四国から中国地方への結節点となる、そこそこの経済圏(県庁所在地まで1時間以内の都市圏人口で言えば広島をもしのぐ!)を持つにも関わらず、昨年の実行件数(公庫・生活事業部)は片手で数えるほどだそうです。ホントに驚きです。実にもったいない!コロナ融資の元金返済が順次開始され、本業の業況が芳しくない場合、資金繰りに窮するのは当然です。ましてや、前向きなV字回復のための積極的な分野への投資資金を捻出するのは至難の業です。
そこで、この融資が登場!というわけです。
遅くなりましたが、この融資の説明を簡単にさせていただきます。
※日本政策金融公庫(中小企業事業)及び、商工中金でも取り扱いがあります。
資本性劣後ローンの正体
結論:債務超過の状態が融資審査上、資産超過に変身してしまう!
というのがこの制度のミソです。副産物として、他行の融資を得られやすくなるということでもあります。
めっちゃ簡単に図示すれば債務超過の企業が金融機関での融資審査上、以下の様になります。
投入前 投入後
そして、5年1か月以上、最長20年の長期融資で、毎月の元金返済が不要で、期限一括返済という大きな特徴があります。おそらく、10年一括返済を選ばれる方が多いのではないでしょうか。
※ちなみ期間後半の5年間で融資額の20%ずつが疑似資本部分から減らされていきます。
しかしながら、とにもかくにもマイナーです。元々、資本性劣後ローンは事業再生のスキームのひとつでした。
しかし、コロナ禍に見舞われた約2年半ほど前にこっそり、現れ、テレビCMでも「資本性ローンなども活用し・・・。」なんてさらっと放送されていたのですが、正直私は「そんなんで、ことの重要性が伝わるかよ!」なんて人知れず内心、地団太を踏んでいました。笑
岡山においては今期の予算?ないし制度は一旦終了した模様で、来期予算も見込め、制度は継続方針のようで、公庫側から断言こそされませんが、春先以降に実行できるように事前勉強会、相談は受け付けてもらえる状況です。全国津々浦々の支店もスタンスにそれほど大きな違いはないでしょう。ただ、多くの制度融資に埋没してしまっている可能性は多分にあります・・・。
弊社の顧問先でも、計画書の準備に入っている企業が複数あります。
実行していない段階でもブログにしたためようと思ったのは、私が勝手ながら、財務コンサルテーションの師と仰ぐ、(株)しのざき総研の篠﨑啓嗣(しのざきひろつぐ)先生は既にこの約2年間で50件以上全国各地で実行の支援、サポートをされており、その有効性を私自身理解しているからです。
何が、言いたいのかというと、コロナ融資よりもある意味、重要で、コロナ融資はあくまで延命。資本性劣後ローンのは事業の復活資金。も言えます。
まじで言うなれば回復呪文です。例えるならこの融資は、困ったときのベホイミ・ないしベホマです。ドラクエ世代以外、ちょっとわかりにくくてスミマセン。
形勢を立て直し反撃の渾身の一撃を市場に繰り出すには、何と言っても先立つもの、つまり企業体力である「現金」が必要です。たとえ苦境にある企業でも、V字回復の起爆剤と事業の時間を確保するための「現金」を調達する有効な手立てと言えます。
審査書類のキモは、日本政策金融公庫(国民生活事業)においては専用のシンプルなA3書式です。要は、数字の根拠を明確に担当者に熱意と誠実さをもって伝えられるかという至極まっとうな内容です。
中小零細企業の窮地を助けるんだ!という本分で存在している政府系とだけあって、「大丈夫か?」というくらい良くも悪くも、勘定科目や書式、内容がシンプルなのも特徴の一つと言えます。
計画や資料の作成においては、慣れていない経営者の方は顧問の税理士さん、中小企業診断士、身近な財務コンサルタントに相談されることをお勧めします。
申請でのポイントをまとめるなら
最後に
今回は特に重要テーマなので、今まで以上に思いのまま書き出しました。少しでも多くの、特に経営資源に限りがある年商10億円規模までの中小、零細企業の経営者さんが一歩踏み出して、資本性劣後ローンの審査に挑戦し、自社の経営計画の整備や、今後のV字回復を睨んだ経営の次の一手を繰り出されることを地方都市の片隅で願っております。
いささか、乱雑なもの言いもあるやも知れませんが、本当にこの制度で救われる企業が一社でも増えることを切に願って今回はペンを置きます。
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株式会社なかむらコンサルタンツ
代表取締役 中村徳秀
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