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ドラッグストア世界最大手CVSヘルス 財務分析

株の分析をしていく記事を毎日投稿しています。

今回はCVSヘルス(CVS)です。


基本情報


米国株。全米最大手のドラッグストア。店舗数約9900。薬剤給付管理も収益柱の一つ。



貸借対照表


現金


総資産22兆2000憶のうち5700億なので現金比率は2.5%です。


大手ドラックストア3%


この業界の現金比率は大事な指標ではないので、そこまで気にする必要はないでしょう。


在庫


総資産のうち1兆7500憶なので在庫比率は8%


大手ドラックストア20%


ドラックストア業界はスーパー業界と同じように在庫を抱えやすい体質です。


なのに、CVSヘルスが8%しかないのは(もちろんほかの業界と比べれば多い)薬剤給付管理からも大きな収益を上げているので在庫比率が相対的に低くいです。


総資産はここ15年間で13倍に増えました。

その間、在庫は3倍しか増えていないので在庫比率は右肩下がりの状態です。


のれん代


のれん代が15年間で37倍に増えたことにより総資産が13倍に増えました。


のれん代の上昇はこの業界自体が上昇傾向にですが、ドラックストア大手のマッケソンは8倍しか増えていないので、この会社は異常です。



長期負債


長期負債は6兆5000憶なのに対して総資産が22兆2000憶なので30%が負債ということになります。


大手ドラックストア20%


CVSヘルスが長期負債の多い理由としては、超大型買収を何年間かに1回するのでその資金源として借り入れを行っている、つまりのれん代が増えればその分長期負債増えます。


内部留保

内部留保をよく知らない人のために説明しておくと内部留保は貯金ではありません。

多少簿記の知識がある人ならわかると思いますが、内部留保とは経費と株主に償還するお金を差っ引いたお金の合計


つまり内部留保が成長している企業は相当な収益力があり優良企業な可能性が高いです。



CVSヘルスの内部留保は15年間で6.7倍に増えました。


ドラックストア業界は好調でしたがバブルと言えるほど上昇していないので、大企業でこの数字は凄いと思います。


ですが、この数字は大型買収するために借り入れをして、利益を上昇させ高いリスクをとって内部留保を上昇させているのでこの成長はいい成長ではありません。


なので、優良企業かと聞かれると優良企業ではないと答えます。



損益計算書


売上高


ドラックストアやスーパーなどの大量に仕入れて大量に売る構造の業界は売上高が異常に高いです。


この企業も例外ではなく、22兆の売上高を持っています。


ここ15年間で売上高は3兆7000億から22兆にまで増えていてこの企業の販売能力の高さが分かります。



粗利益率


粗利益率は約40%と高い方です。


大量に仕入れて大量に大量に売る企業は仕入れるための原価と人と出店費用が膨大になるので粗利益利率は低くなりやすい傾向があるんですが、この企業は原価率が40%と高い利益率を誇っています。


さらに、その数字を5年連続で続けています。



営業利益


営業利益は15年間で2000億から1兆2000億に増えていますが、この数字は最初の3年で3倍になったおかげなので、10年間で見た場合2倍しか増えていません。


また、営業利益率は5%と営業費用の高さを物語っています。


ですが、この業界はこれぐらいが普通なのでこれだけで投資の候補から外すのはやめておいて方が良いです。


純利益


ここ15年間で5倍しか増えておらず、営業利益と比べると上昇は低く見えてしまいます。


また、売上高と比べて上昇スピードが低いので純利益率は減少傾向です。



EPS(1株当たり当期純利益)


EPSは純利益の成長スピードよりも遅いことから定期的に株式を発行して資金調達をしていることが分ります。




この企業の損益計算書はドラックストア業界の中では最高峰です。


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