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クラスメートとばったり出会う

ドイツの現地校4年生の息子は土曜日はサッカーの試合だが、日曜日はたいてい家で暇そうにしていることが多い。最近、クラスメートと日曜日に遊ぼうとしてもフラれることが続いていた。天気が良い季節になると出かける人が増えるからだろう。

今日も朝から立て続けに断られてしまったのだが、午後に近所をあるいていたらアイス屋のテラス席に馴染みの顔を見かけた。そう、今朝フラれた男の子だ。どうやら母親と一緒にテニスをしに行っていたらしい。

家で約束して遊ぶことについてはフラれたんだけれど、今日は天気もいいし、せっかく会ったんだから公園で卓球でもしたらどう?という流れになった。母親とも久しぶりに話そうということで、珍しく一緒に公園までついて行くことにした。

オーストリア人の家庭なんだけれど、音楽のプロデュース関連の仕事をしていることもあり、とにかくオシャレだしノリがいいというか人当たりがいい。オーストリアのドイツ語はたまに聞き取りにくかったりもするが、なんとなく雰囲気で会話できてしまう。

息子にも音楽教育をさせたい、ということで今年の夏から音楽に力を入れているギムナジウムに進学してしまうんだけれど、とにかく進学のこととか、担任の先生に対する意見が似通っていて面白いと感じた。

「どうしてみんなあんなに躍起になって担任のやり方を叩いたり、すぐに苦情を言ったりするんだろうね?」

「ギムナジウムの進学は早いかな、と思ったんだけれど夫がどうしても音楽に力を入れさせたい、というから試しに受けてみることにしたんだけど。」

「私立の学校に入れたがる人が多いようだけれど、何がいいのかさっぱりわからない。」

とまぁ、こんな感じだった。家にいるとすぐにスマホでゲームしたり、タブレットで動画を見たがるので困る、というところまで同じ。今の子はどうしてもそうなるよね、親だってモニターに齧り付いているんだしね、という話に。家がすぐ近所なので、もっと気軽に連絡取り合って子どもたちを遊ばせようよ、という話で落ち着いた。

コロナ禍にまつわる仕事関連の話や、割とプライベートな話になったりもし、誰でもやはり何かしら変化を求められているんだな、と痛感させられたりもした。音楽関連の仕事なのでコロナ禍でかなりの影響を受けたのだそうだ。特に冬場のコンサートの開催が難しかったらしい。

こんな時はやり方を考えて、第二の人生を始めるくらいの気持ちで行かないとね。

本当にそうだと思う。日本が色んな意味で遠くなっちゃって考えてしまうよ、と言ったらかなり同情されてしまった。仕事の関係で何度か日本にも行ったことのある人だから、余計にそうなるのかもしれない。

とにかく、今日はそんなわけで嬉しい偶然があった。子どもたちが自立すればするほど親同士のコミュニケーションは減るんだけれど、こんな偶然がたまにあるとやっぱりいいもんだな。


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