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ベルリンのラフな卒業式

今日は長女の小学校の最終日だった。

9時15分にサッカーコートに集まってください。成績表を渡しますので。保護者の方も参加可能であれば是非。

「卒業式」という言葉は出てこない。日本の小学校のように講堂に集まり、卒業証書を授与したりといった整然とした式が行われないためだ。

最終日でもギリギリまで急がない、気楽な娘と一緒に小学校へ向かう。

あ、いつも一緒に行ってる友達に電話しないと。迎えに来る、って思ってたら困るし。

そんなことを言いながら電話をするも、繋がらない。

もう行ってるのかもしれないなー。

なんて言ってたけれど、それだったら「今日は直接行くね!」と逆に連絡を入れて欲しいくらいだ。いつも友達とのやり取りがかなり適当なので、面白おかしく端から観察しているんだけれど。

さて、サッカーコートに着いてみると案の定、既に8割くらい集まっていた。誕生日会のようなデコレーションがしてあって、かなりカジュアルな雰囲気だ。正装している子どもも保護者の姿もなし。みんな普段通りの適当な出立で来ていた。ベルリンだからこうなのだろう。

校長先生、担任の先生の話が終わり、クラスで作って販売をした新聞の売上金の報告があった。ユニセフに寄付をするのだそうだ。その売上金、なんと600ユーロ以上。これにはユニセフの担当者も驚いていた。

娘と娘の親友が代表として前に出て報告していたが、新聞の記事になるはずだったレシピは間に合わず掲載されていなかったのだからおかしなものだ。どうやら、販売の際に中心になって動いていたらしい。安全当番も担当していて、警察から小さなスピーカーを記念品としてもらっていた。知らないうちに色々とやっていたらしい。

とにかく娘のクラスは1年生の時から6年生まで同じメンツが多く、とても仲の良い賑やかなクラスだった。ベルリンの小学校は基本的に6年制だが、勉強のできる子や、7年生からだと入りにくいギムナジウムへ5年生から移ることも可能である。娘の場合は、ドイツ語力が不十分だったこともそうだが、クラスメートに恵まれていたので進級する必要性を微塵たりとも感じなかったようだ。

結局、あれほど難しいという噂だったギムナジウム入学も、第一希望の学校にすんなり入れたので結果オーライである。

クラスメートでひとりだけ、まだどこにも学校が決まっていない子がいるのが気にかかって仕方がない。第一希望から第三希望まで全てだめで、振り分けられた学校は何があっても入れたくないレベルの学校だったのだ、と母親から聞いた。そんなこともあるのだ。このシステムどうにかならないものか。成績が悪いから入れなかったわけではないからだ。

そして、長女はというと、親友と一緒の帰り道に「ママ、二日泊まってもいい?」と聞いてきたではないか。小学校は終わり!夏休みの家族旅行の前に親友と思い存分遊ぶ!切り替えが早く、サバイバル能力というか、楽しむ術を知っている娘の将来が楽しみである。

いってらっしゃいーーー。

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