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ベルリンで20年以上ぶりに面接をした

20年以上ぶりにベルリンで面接に足を運んだ。いつものように早め出発をしたが、面接時間よりも45分も早く着いてしまい文字通り「飛行機場で待つ人」になってしまった。

入り口でセキュリティーの人に面接に呼ばれたというメールを提示して中に入る。簡易窓口で問い合わせると、面接に来た人が座っている、と言われた場所に確かに数人女性がいるのが目に入った。みんな緊張しているのか表情がかたい。それにしてもここでは見事に周囲からドイツ語が聞こえてこないし、アジア人もいない。完全にアウェイ。

ただ何となく立っている時に「人事部の方ですか?」と突然聞いてきた人がいた。なぜゆえ、そう見えたのか。今着いたばかりだというのに。首から札も下げていないのに、だ。

途中で近くのトイレに行ったのだが、これはひどい、というくらい汚れていたのでひっくり返りそうになった。私がここで働いていれば、真っ先に指摘するところだと思う。水回りの衛生管理は必須。これではいくらなんでもげんなりしてしまう。

受付も人が足りないのか、うまく回っていないように見える。番号札制にして待っている間は座れるようにすればいいのに。疲れている人への配慮が足りない。

とまぁ、待っている間に暇を持て余し周囲を観察しまくっていた。ふと前を見ると、小さな子どもがプラスチックのコップを大量に持っていて、半分ほどを下に落としてしまった。

「これはどこから?」と聞くと、あそこ、と小さな声で返事をしてくれた。水の大きなボトルの上にかなり雑にプラスチックのコップが置かれている。これも置き方をちょっと工夫するだけで子どもが遊んだりしないんじゃないのか。

一番大変な現場は人手不足なのか、監督不足なのか、おそらく両方なのだろうがそれはもうカオスな有り様になっていた。来る人も多ければやることも山積みなのだろう。でも、最低限の清潔さは保ってほしいと感じた。もし、採用されたら真っ先にトイレの掃除について指摘したいところだ。

グループリーダーや人事部、運営部は現場から少し離れたプレハブの離れに位置している。おそらくそのせいで、現場のトイレ事情にまで気が回らないのかもしれない。それはそれで大いに疑問なのだけれど。ドイツ人にありがちな自分の管轄以外はどうでもいい、というのがはっきりと結果に出ている気がした。

数ある職種の中で、なぜこんな大変なものに応募したのか自分でもよくわからない。即戦力になりそうだったから、というのが理由だけれど、シフト制でもあるし採用されたらどうしよう、と半ば本気で思いながら帰途に着いた。

世の中には本当にいろんな仕事があって、適材適所というマッチングがそれほどうまく行っていないように感じるのがベルリンでは常である。雇用局の人が提案してくれた案件に応募をしてみて面接に呼ばれたのは嬉しかったが、さてどうなることやら。どうしたものやら。

結果が出たら、もう少し具体的に書いてみようとは思っている。少なくとも面接でドイツ語力を証明できるものを提出してください、とは言われなかったので少し安心した。

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