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カフェのテラス席でラテマキアートを

あっという間に気づけば、今週もすでに金曜日。金曜日の朝に、徒歩圏内にある無料の抗原テストセンターに行くのが習慣になりつつある。

昨晩ふと、友人を誘って久しぶりにお茶に行けないものか。そんなことを思いついた。せっかく陰性証明書をもらうのだから、そろそろお茶くらいしてもいいだろう。

今日も変わりやすいあいにくの天気だったが、屋根のあるテラス席だったので、事なきを得ることができた。

それにしてもなんとも肌寒い5月末である。寒いかもしれない、と念のためにカーディガンを持って来ておいてよかった。半年ぶり以上にカフェのテラスでお茶をして、風邪をひいている場合ではないのである。ちなみにまだカフェの店内での飲食はできない。ベルリンでは、外のテラス席のみ先週の水曜日から開放されている状況だ。

気になっていたのが、テラス席で飲食をする場合、どれだけ陰性証明や滞在アプリのチェックをされるのか、という点だった。ルールでは24時間以内に受けた抗原テストの"ネガティブ"結果を提示するのが必須となっている。LucaアプリCoronaアプリのチェックイン機能がうまく作動するのかどうかもやってみないと分からない。これらのアプリは、店のテラスに誰がいつ滞在したのか、という滞在記録をトレースできる追跡アプリである。

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セルフサービスのカフェだったので、店内にはマスクをして入り、レジの前にがっつり備え付けられたシールド越しに注文をして会計を済ませる。テーブル席のど真ん中に、LucaアプリのQRコードがガムテームで固定されていた。店内のレジのところにはCoronaアプリ用のQRコードが大きくコピーされて用意されていた。追跡アプリをインストールしていなくても、記入用紙をもらえるので個人情報をそこに記入してお店の人に渡すこともできる。最悪スマホがなくても、飲食はできるシステムのようだ。

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気になっていた陰性証明の確認だが、こちらは「受けて来たというのを前提で話を進めている」のか特に提示する必要がなかった。美術館などに入館する場合は必ず入り口で確認されるので、そこは少し緩い気がした。あくまでもお客さんの良心に任せているのだろう。この辺はお店や店員によって対応が異なってくるはずだ。

あまりにも久しぶりなので、オーダーするのに少しどぎまぎしてしまった。もはやカフェのオーダーの仕方すら忘れてしまったのか、と友人と思わず顔を見合わせて苦笑する。

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それにしても半年はさすがに長い。カフェに座って隣の席から他人の話し声が聞こえてくる環境に身を置くのもなんだか久しぶりだった。どこか心地よい雑音。

「これからの良い季節の間に、できることを楽しんでおこう」しみじみとそんなことを思った。心なしか、カフェの前を通り過ぎる人から、笑みのようなものが溢れる。みんなわずかではあるが、日常の一部が戻って来て嬉しいのだろう。

息子がクラスメートとカフェの前を通り過ぎた。

完全な「以前の日常」は当分戻って来ないのかもしれないが、今できることを心ゆくまで楽しんでおきたいものだ。

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