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親密な映画館

今日も冷え込みが厳しいベルリン。少しだけ早めに起きて、「君たちはどう生きるか」のオリジナル版を子どもたちと観に行ってきた。今回は前回のようなミスをしないよう、何度もオリジナル版かどうかを確認。目指すはフリードリヒスハイン地区にあるミニシアター、Intimes Kino。親密な映画館とはいいネーミングである。

ここはアニメの上映になると子ども料金がなくなり、一律10ユーロになる。先日行ったKino Internationalで子ども料金が6ユーロになることを考えると、少し高めだがミニシアターを応援したいのでそこは目を瞑ろう。佇まいや中の様子が古き良きベルリンを彷彿とさせる。ここにはすでに何度か日本のアニメを観にきている。

Intimes Kinoの内装

土曜日のお昼の上映分はオリジナルに英語の字幕付きだった。70人くらい入る小さなホールの3分の2くらいは人が入っていたように思う。ジブリアニメはドイツでも人気があるのだ。タイトルがあまり好きになれず、昨年の夏に日本で上映されていたときは全く行く気にならなかったが、こちらに戻ってきたらそうでもなくなっていた。不思議なもので、英語もドイツ語もタイトルは「少年とアオサギ」というシンプルな訳がついていた。

アオサギといえば、たまにジョギングをしに行く近所の公園に一羽だけ池の淵にスッと立っていることがある。もう数年前からずっとそうで、なぜかその一羽だけを冬に見かけるようになった。走りながらそのアオサギの姿を目で追ったりもする。

映画のテーマは世界の危うい均衡やパラレルワールド、家族、といったもので今見るにはいいテーマだったように思う。子どもたちも映画を見た後にそれぞれが感想を述べていた。いつも自分の思ったことを一生懸命、話している子どもたちを見ているのはとても楽しい。日本語で映画を一緒に見ることができる、というのも悪くない。

映画が終わって外に出たら、世界はまだ崩壊していなかったが、ただただ底冷えして寒かった。みんなで震えながら地下鉄の駅へ向かう。帰りに何か食べようか、と駅前の広場でやっていたマーケットで温かいフォーを食べて帰宅した。長いクリスマス休暇もいよいよ明日が最終日。来週明けはさらに寒さが厳しくなるらしい。予報では最低気温がマイナス11度となっていた。

学校が始まれば、またやれテストだインフルエンザだと慌ただしい日々に逆戻り。なんとか元気にあと数ヶ月は続く寒い冬を乗り切れますように。

Intimes Kinoの内装


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