氾濫するゴミ情報
娘が日本語の補習校へ行く前にあわてて宿題をやっているらしく、漢字の読み方を尋ねてきた。
「短文」という漢字が読めなかったらしい。ネットで調べるにしても、漢字の場合はそもそも読み方がわからなければ調べようがない。短い文章のことを短文と言うが、音訓で読み方も変化するのだから漢字というものは本当に奥が深い。だからなおさら学習者にとってはハードルが高くなるのだろう。
短文に長文。それぞれ短い文章、長い文章のことだが「みじかい」という読み方を知っていれば「短文」が読めなくても意味は取れたはずである。訓読みの大切さがわかるというものだ。
秋の日本行きが決まっているからなのか、中学3年生の担任が厳しくなったからなのか珍しく娘は補習校へ行くギリギリのタイミングで宿題をしているらしい。中学1年生になったばかりの息子の方はといえばさっぱりである。補習校の宿題どころか、現地校の宿題や課題、テスト勉強なども自分からはなかなかやろうとはしない。今年の夏には小学校を卒業し、秋から進学の予定だが若干不安要素がある。だが自分のことなので、自分で気付いてやるようになるほかないのだろう。もうそろそろ言われないとしない、という時期もおしまいにしたいのだ。どうぞご勝手に。反抗期も始まるのではないかな。
それにしても、自分の子どものときと比べて、現代の子どもたちは「便利なツール」に振り回されているようで、とても気の毒に感じる。便利なはずのツールがここ最近では情報のゴミ箱と化しているようにしか見えず、必要のない情報や目にしなくていい写真や映像に日々晒されているように思えるからだ。大人でもネット上に蔓延る大量のゴミの選別作業に手こずっているようだがそれと同じことを子どもたちにやれ、と言ったところでそんなに器用にできるわけがない。
「短文」の読み方すら探せないのに、それ以外の例えばファッションであるとか美容やダイエット情報などはすぐにアクセスできるはずだ。それこそ性的コンテンツや戦争の映像にさえ、すぐにアクセスできてしまうのが現状である。一体どうしろというのか。子育てもそういう意味では以前よりハードルがかなり上がっているのではないか。
娘に「短文」の読み方を尋ねられただけなのに、何だか批判めいた投稿になってしまうのだから勘弁してほしい。とにかく自分の子どもたちがネットの情報に振り回されるようなことだけは避けたいものである。ネット上の情報に時間を食い潰されるのではなく、うまく利用できるようにするにはどうしたらいいのだろう。これが当面の課題である。
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