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ホームオフィスとBüro(事務所)

知人の声がけで今日から週に2度ほど「ホームオフィス」ではなく「事務所」で仕事をすることになった。コワーキングスペース(共同オフィス)とはまた違うので、完全にひとり、時によってはふたりの空間である。

今日は初めてその場所で仕事をしてみたのだけれど、やはり自宅を出て仕事場へ向かう、という行為だけでずいぶんと気持ちの切り替えができるものだな、と懐かしく思った。2002年から10年ほど会社員としてベルリンにある制作会社に勤めていたが、二人目の出産を境に退社することになり、そこからはずっとフリーランスとして仕事をしている。もうかれこれ10年くらいにはなるだろうか。

「ホームオフィス」なんて「オフィス」といかにもそれらしく命名されているだけで、子どもが小さなうちは全く機能しない。赤ちゃんの世話をしながら仕事なんて、そもそも限りなく不可能に近いのである。そんなこと頼まれたとしても2度とやりたくはない。当時の苦労を思い出すだけで、今でもムカムカと腹が立ってくるくらいである。自分でも本当によくやっていたと思う。

当時を振り返ると、今の「ホームオフィス」はずいぶんとスムーズになった、と言いたいところだがそうは問屋が卸さない。小学校の授業は午後1時過ぎに終わり、給食が美味しくない、と息子が昼ごはんも食べずに帰宅するからだ。幼稚園の頃の方が午後4時まで預かってくれていた分楽だったくらいだ。そうなってくると、午前中のわずか数時間しか仕事に当てる時間がないことになってしまう。もちろん、午後も仕事はするのだが、もはや頻繁に横槍が入るのは避けようがない。

しかし、一旦Büro(事務所)に行ってしまえば、仕事が終了するまでは作業に集中することができる。こんな楽なことはない。仕事だけしてればいいなんて、なんて楽なんだ。もちろん独身で会社勤めをしている頃は、そんなことを微塵も想像できなかったんだけれど。

実は、コワーキングスペースも別の友人のおかげで使えるはずだったのだが、コロナの流行した時期と重なってしまい結局ほとんど使えずに終わってしまった。

そんなわけで、息子には文句を言われつつも今月、来月は週に2回のペースで事務所通いをすることになりそうだ。カレンダーを見たらもう1月も後半になっていた。時間が経つのは本当に早い。諸々、締め切りに間に合うんだろうか。不安でしかないが、いつもなんとかなっているので、なんとかするよりほかないのだろう。





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