見出し画像

来年の4月で29年目。約30年ぶりの英国。

ベルリンに来たのが1995年の4月なので、来年で29年目になる。長女がもう14歳で息子も年明けには12歳になるので、そのうちの半分は子育てしている間に飛ぶようにすぎたのだと思われる。そうだ、そうに違いない。

20代だった自分も、気付いたらいい年になった。ひたすら年を重ねているだけ、滞在年数が長いだけで、「海外生活」とやらで何がどう成長したのか自分でもさっぱりよくわからない。強いて挙げるとすれば、ドイツ語で仕事ができるようになったくらいだろうか。逆に知らないことや至らないことに気付かされる毎日でここ最近は反省ばかりしている。

ベルリンの壁崩壊が1989年。その後、10年間くらいはベルリンという街もカオスの真っ只中だったわけだ。いい意味でも悪い意味でも、自由奔放な空気がそこら中にあった。自称アーティストやいわゆる「Lebenskünstler」(生き様そのものがアーティスト)が大量にいた時代である。自分を含め、なんとなく様子見でブラブラしている人と知り合いになることが多かった。

2000年以降は通貨統一も行われ、街が徐々に欧州の一都市として真っ当な方向に向かっていくように見えた。2010年以降はスタートアップ誘致などの影響でジェントリフィケーションが進んだことで街からどんどん空き地や廃墟が姿を消し、かつての面影が薄れていく一方となった。それでもまだまだベルリンという街は、他の欧州の都市に比べると独自性を持っているらしい。

1993年、1997年頃にイギリス、1994年にアメリカへ行ったっきり、なぜか英語圏の国とは疎遠になってしまった。それよりもロシアやバルト三国、ウクライナ、ポーランドやチェコといった中東欧の国々がグッと近くなったのだから不思議なものだ。ベルリンの地理的な要素も大きいのだろうが、ベルリンで知り合った人たちを通じて、興味の方向がそちら側に大きく傾いたのである。かろうじてポルトガルやスペイン、フランスには幾度か足を運んではいる。

10周年滞在記念も20周年滞在記念も特に何もしなかったので、30周年くらいは何か企画してもいいかもしれない。自分の誕生日すら人を呼んで進んで祝えないタイプなので、例のごとくまたそのまま何もしないかもしれない。気が向いたらやろう、なんて言っているうちにずいぶんと時間が経ってしまった。

だから、というわけではないのだけれど今週は約30年振りにイギリスに行く予定を入れてみた。何も考えずにフライトだけ予約したので、まだ初日の宿泊先が決まっていないがロンドンってこんなに高かったっけ?と頭を抱えている。ポーランドやチェコに慣れちゃったからかなぁ。

さてさて、久しぶりの英語圏、どう感じるのか自分でも今から楽しみである。イギリス怖い。

サポートは今後の取材費や本の制作費などに当てさせて頂きたいと思います。よろしくお願いします!