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立つ鳥は跡を濁すな〜過去にあったイタイ話①〜

もう時効だから書いていいと思うんだけれど、既婚者の某友人から一方的に縁を切られたことがある。そのメールをもらったときは、なんて失礼な人なんだと呆れると同時に相当精神的に病んでいるのだろう、と僅かな同情を抱きつつ返答を出しておいた。今から思えば、失礼すぎてこちらがブチギレても全く問題のない案件である。

ヤフーメールにはその後、ログインできなくなったので細かなことまでは記憶をもとに書くしかないのだが、どうやらただの友人にすぎなかった私たちの関係を彼の奥さんが一方的に不倫をしていると勘ぐり、(友人だった)彼が迷惑を被ったのでもう連絡してこないでほしい、云々だったような気がする。

そのメールをもらうまで、いい友人だった彼に恋愛感情などこれっぽっちも抱いたことがない私はひっくり返ってしまった。そもそも、日本に一時帰国する際には遊びにきてください、と向こうから連絡をもらっていたので妹や友人を連れて何度かお店へ遊びに行っていただけである。それだけで不倫と疑われるというのは一体どういうことなのか。一度だけひとりで遊びに行った際に帰りに車を出してくれたことはあるにはあるが、そのときも最寄り駅まで送ってもらっただけ。大した時間は経っていないし、なんなら車内で彼の悩み事を聞いていただけである。変な話だが、その絶交果し状のようなものを読んで初めて、向こうの私に対する好意に気づけたくらいである。

嫉妬深い奥さんを持つと大変だよな…

彼から届いたトンチンカンな長いだけのメールを読みながら深々とため息をついた。そのメールが来てからはもちろん一度も会っていないし、別に今さら会おうとも思わない。

ただ、彼がベルリンを立つ際に様々な尻拭いをしたことだけはいまだに記憶に残っている。人に何かをやってもらうことに慣れているおぼっちゃんだったのだろう。とにかく色々と酷かったのだ。引き上げの後片付けをなぜか押し付けられ、放置された家具やその他の始末をしたのも私。日本に持ち帰るワインも制限があるよ、というのを聞かずに空港まで大量に運んだ挙句、結局持ち込めなかったので引き取ったのも私。お酒が飲めるならまだしも、もらったところで邪魔になる上、重かっただけ。人の助言もたまにはちゃんと聞こうよ、とワインを運びながら馬鹿馬鹿しくなりため息が出ただけだ。

その当時、家族ぐるみで付き合いのあったドイツ人家族の兄に当たる人にずいぶんと尻拭いの際は助けてもらった。ベッドや机など大型の家具を運ぶ必要があったからだ。そのお兄さんには「なんで全部君がやらなきゃいけないの?さすがに友達とはいえ、ちょっと考えられないよね。その上、僕まで駆り出されてるんだから」と嗜められた。本当にそうだと思うし、迷惑をかけてすみません、という気持ちしかない。友人だから、という理由だけでその時はやったのだけれど、立つ鳥跡を濁しまくった彼から数年後に届いたのが一方的な絶交果し状のようなおかしなメールだったわけだ。

おいおい、いくらなんでもちょっとひどくない?

人を使うことに慣れた世間知らずのおぼっちゃまはやはり怖い。

その時、つくづくそう思い知らされた。なぜ、これを今になって思いだしてまとめたのか正直よくわからない。先日、久しぶりに会った友人とカフェで過去にあった付き合いの話をしたからかな。そういえば、その友人にも言われたんだよなぁ。「人の面倒、割とみてあげる方じゃないですか」って。もう、そういうのもそろそろいいかな。


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