見出し画像

心模様と空模様

 雲の成長って、人間の成長に似てるなぁってことを書いた昨日。

 きょうは、この記事の続きだから、まだお読みでない方は、先に読んでくださいね♪

 ④成熟し壁にぶつかるとき

 順調にもくもくと成長を続けた雲は、とても大きな存在となるのだけれど、上空で対流圏と成層圏の境目までくると、それ以上は上昇できなくなります。かなとこ雲って見たことありますか?積乱雲の上の方で、横に広がっている雲のことです。あれは「これ以上は上にいけない」という限界に達した姿で、このころ雲の中では『下降気流』がうまれています。

 人も、どんどん成長して存在感が大きくなってくると、壁にぶつかることもあるでしょう。心の中では雨が降り出し、挫折感を覚えたりすることもあるかもしれません。

 ⑤そして衰弱

 雲の中にうまれた下降気流が強くなると、積乱雲は次第に衰弱していきます。このとき、雨粒が周りの空気も引きずりおろしながら落ちてくるので、下降気流は、ますます強まります。

 人も、壁にぶつかって落ち込んだり負の感情を抱いているころ、周囲の声に、気持ちが引きずり降ろされたりすることも。

 ね、なんとなく、雲の成長って、やっぱり人間っぽい。

 このことから、私が何を感じるのかというと。。。

 人間も、いまの自分が成長過程のどこに立っているかが自分で分かっていると、ちょっぴりでも気持ちが楽になるんじゃないかしら。。。ってこと。

 ちょっと話がそれるけど、私ね、若かりし頃から生き方や成長に関する本を読んだりしながら、真逆のことが書いてあるたびに、混乱したりしてたんです。たとえば、行動しろ!目標をたてろ!頑張れ!決めろ!な世界もあれば、ゆるんでおまかせの世界がいい!ということもあるでしょう?

 でね、自分の人生でも試行錯誤したり、たくさんの人に出会ったりするうちに、感じたことがありました。

 それはね、ちょっと頑張った方がいい時期かなっていう人が、じーっとおまかせ体勢で待っていたり、すでに『ある一線』をこえて、あとは流れにのってもくもくと成長していけばよさそうな人が、引き続きめちゃめちゃ力んでいたりするなぁって。雲の成長にも発生期、成熟期なんていう時期があるように、人も、自分が成長過程のどこに立ってるのかな?って考えてみたらいいのかもなぁ、と。

 自然の流れはシンプルで、ある程度までは、ちょっと引き上げてもらったり、ちょっと踏ん張ったりすることが必要で。『自由対流高度』のような、次のステージにのれたら、ゆるんでおまかせでいいんじゃないかしら。

 さて、話をもとに戻して、最後の大切な過程にまいります。それは、

 ⑥雲の発生

 そう、また雲が生まれるのです。

 ザーザー雨が降って、下降気流が地面に達すると、冷たい空気は周囲に広がっていきます。この空気が、地上の温かく湿った空気を持ち上げて、また新たな雲が生まれるのですよ。この繰り返し。

 人も、また新たな雲を自分と重ねてもいいし、自分の経験を活かして次の人をもちあげる時ともいえるかもしません。

 気象の勉強をしていると、私も自然の一部で、宇宙からみればひとつの粒なんだなぁって気持ちになれるんですよね。視点がぐーんとお空をつきぬけて、宇宙からの視点になるのかな。ちょっと現実逃避しているだけかもしれないけれど。

 うまくいったりいかなかったり、泣いたり笑ったり、そんな日々の心模様も、自然の流れの一部だなぁって思えてくると、ふわっと楽な気持ちになれるのです。

 気象予報士ざいちゃん 

 

 

 

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?