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物事の終わり。

祖父母のことを思い出しnoteを書いた日の朝、老人ホームで暮らす祖母が肺炎で入院した。

祖母は92歳らしい。80歳くらいからあやふやになっていたが92歳らしい。いつの間に…そんな。。。

・・・

すぐに見舞いに行こうと思った。
ら、面会はできないとのことだった。
流行病のせいらしい。

夜、病院に荷物を届けに行った兄から連絡があり。2,3週間は入院する見込みのこと、高齢なので入所していた施設にはもう戻れないかもしれないこと、など伝達があった。

おぉ…いよいよ…
不謹慎かなそう思ったり。


今日はまあ母親の様子でも見に行くかーと、1時間半車を飛ばし会いに行った。背丈の揃ったとうもろこしが並ぶ畑に挟まれた道はビュンビュン飛ばすには勿体無くて窓を開けた。ら、とてもムンムン暑かった。とうもろこしが傷まないか心配になった。

実家では思った通り母も平常運転だった。
ジタバタしても仕方ないことってたくさんあるよね。

母とふたり、空き家になっている祖父母の家に行った。
いよいよの時に持ち出しておいた方がいいもの、整理していた方がいいものを洗い出せれば…という思いも込めてだった。

要介護2の母は、よろよろドタドタバタンと柱や手すりに助けられたりしながら部屋の中を移動をする。
たどり着いた縁側の棚から蒸気機関車の模型を持ち出した勢いで、バタンッと畳の上に転けてしまった。

…この模型…そんなに…大切な…?

転んだせいで部品が取れてしまった蒸気機関車は、うちの娘のオモチャに…と思い取り出してきたものだったらしい。
ほんとに…全くこの人は。マジでほんとに勘弁してくれよ…。まったく。

蒸気機関車を元の位置に戻し、祖母が最期のときに着たいと言っていた着物を探し出して実家に持ち帰った。


半年ぶりに入った祖父母の家の中は想像以上にくたびれていた。
シンクにはムカデが部屋に這いあがろうと必死でもがき。IHのコンロを叩き起こし、底が不安定なフライパンで湯を沸かしザバァッとかけた。
フル稼働のエアコンの設定温度は17℃だった。部屋はそこそこ熱かった。

一部の部屋にはシロアリと思しきものの羽根が雪のように積もっていて、本体のような箇所は少し離れたところで朽ち果てていて、パラパラパラァッと掃除機で吸った。

今日はいろんな物事の終わりを見た気がする。

カレンダーが2023年1月のまま放置されており、
デイサービスや訪問介護の予定がびっしりかかれたなか、6日に91歳の誕生日と書き込まれていた。

途中、家から持ってきた個包装のミニドーナツを開け、母と自分の口に入れた。
ワンピースのポケットにゴミをガザッと詰めた。

・・・おしまい・・・

おまけ。
今の容態がわからないのは気がかりでならない。
いよいよ危ない時かキセキの回復を遂げたときに連絡あるのだろうか。
なんにせよ会いたい。

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