恋愛は弱い心から生まれる

可愛い顔をした彼女の写真を撮ることが憧れだった。
容姿の整った子に惹かれた。
多くの人と関わり、可愛い子の事が気になった。
そんな中、よく僕と話をする女の子がいた。
可愛いかと言われれば、なんとも言えない。
ただ楽しそうに喋るその子を見ていると、どこか惹かれる気がした。
ある日、珍しくその子とLINEをしていた。
｢気になる子はいないの？｣
そう聞かれた時、いないと返した。
僕には好きな子がいた。
僕の好きな子には彼氏がいた。

LINEの相手はよく｢憧れの人｣の話をしていた。
僕から見た｢憧れの人｣は｢その子が好きな人｣だった。
だから、いないと返した。

今になってその返答を後悔している。
新たに関わる人が少なくなった、今。
人肌が恋しくなった、今。
歳をとった代わりに、心が弱くなった、今。
その子が僕の事を好きだったと知った、今。
今になって、あの子が好きだったんだと、ようやく分かった。