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ランドル・グーズビー 若さと成熟と

 毎月定額の料金でさまざまな音楽が聴き放題というサービスが普及して、音楽の楽しみ方も大きく変わった。お気に入りのアーティストを登録しておくと、スマホに「新譜」がリリースされましたというお知らせが来る。お節介で嫌だと思うことも正直ないわけではないが、新しい音楽と出会うきっかけを作ってくれるのだから感謝するべきなのだろう。
 ランドル・グーズビーは昨年の秋、ロンドンで一仕事終えて散歩していた時に立ち寄ったサウスバンク・センターで、運よく当日券を入手して出会ったバイオリニスト。今日は、その時も演目にあったフローレンス・プライスの作品、Elfentanzがスマホ画面に現れた。
 ステージの上での、若さと力強さ、そして落ち着きと誠実さが、伝わってくる気がした。流麗なだけでない、民族的というか土着的な印象のプライスの世界を増幅して伝えてくれるグーズビー。これからも注目して、演奏会があれば足を運びたい。 

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