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飛べ!と叫ぶ心は

飛べ!と叫ぶ心は
あの山が静かになるまで
遠くの方で雷が消えるのを
その音が消えるのを
耳を塞いでじっと待っていた

口のないこの子は
あいうえおと泣いても
なんと伝えたらいいのか分からない
昨日は何を食べたっけ
うどん ショコラ エビフライ
なんと伝えたらいいのかわからない
パラパラと消滅する
独り言ということか

人差し指が銃爪を引くと
飛んでいる蝶が
赤い涙を流して
ポツポツ
ポツポツ
落ちていく

祖父が
鶏の餌をやっていた
写真の祖母は
2階から庭の柿の木を
泣きながら見ていた

私はその光景を見て
何を感じるべきか
わからない

私は何もせず
飛べるものを見て
ただ立っていた



【自動記述1分 夕方帰り道】

自動記述の中に実家の柿の木が出てきたので文章に入れてみた。