世界で1番不思議な花束

少し前、職場で少し曲がった関係の友人に
約1年ぶりに会った。
その人は六歳ぐらい年上で天然人たらしだ。
同じ場所で働いているのは以前から知っていたけど、まさか会うなんて思ってなかったからその時はメイクもテキトーでボロボロで服だってダル着だった。


話を聞いたら結婚するらしい。
本当は18日にしたかったけどとある理由で受理されなく、延期になったと言っていた。
理由を聞いたらなんとも彼らしくて面白かった。
その後お互いのここ1年の話をして楽しかった。この1年の間で結婚したり、学校やめたり、就職したり、セフレができたりと数え切れない程の話題が出てきた。

次の話題はお互いの出勤の話になった。
私が今日から3連勤なんだと彼に言うと、
じゃあ休憩時間になんか差し入れ買ってくね
と言った。
それを聞いて私は
(差し入れだから飲み物とかだろうな)
と考えながらありがとうと言った。


次の日、彼は本当にお店に寄ってくれた。
持ってきた差し入れは予想もしていなかった花束だった。
嬉しかったけど心の中で
(婚約者がいるやつが6つも下の友達に花束なんか渡すなよ)
と思いながら受け取った。でもそれと同時になんだか彼らしいなとも思った。
彼からは「強く生きてね」とたった数分の中で何度も言われた。そんなにも私は死にそうに見えたのだろうか。もしそうだとしたらもっと上手くこの気持ちを隠すようにしないと。


その後の仕事はまぁまぁ頑張れた。彼が来てくれたこともあったのか、少しいい気分で仕事を終わらせることができた。嫌なことがあってもそこまでイラつかずにいられた。良かった。


そういえば彼の誕生日、聞くの忘れてた。
来てくれたら聞こうと思ってたのに。
次は私が彼に差し入れを持っていこう。
流石に私は花束は持っていかないよ。
結婚する人に花束なんか渡して後日大事になったりなんかしたら嫌だからね。
あぁでも出勤時間聞いてないや。大丈夫かな。私が行った時に休憩行ったりしてないかな。まぁ大丈夫か。そう信じて今度何か持っていこう。
またね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?