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色彩の教科書(44)色を使ったダイエット作戦

前々回、ファミリーレストランの暖色を使った手法をご紹介したが、この手法を理解すれば、それとは逆の現象を起こすことも可能だ。つまり、まったく食欲を起こさない空間作りができるのだ。

たとえば、暖色とは逆の、青や黄緑、紫などの寒色を配置する。
寒色は食欲を減退させる色である。オシャレにアレンジされた青いクールな空間で食べた料理が今ひとつ美味しくなかったという経験が皆さんにもあるかもしれない。それは、料理自体の力はともかく、この寒色の効果が大きく働いていたのは間違いない。

あるいは、青い食べ物。青いゼリー、青いカレー(以前「オホーツクカレー」という名前で話題になっていたことがあります)、青いご飯、青い卵。思い浮かべただけで、とても口に運べるようなものではないのがおわかりいただけるだろう。

この効果を使えば、食欲がわかず結果的に量を食べられず、ダイエットに役立つということにもなる。実際、ダイエット・サングラスと称して、青いサングラスが販売されている。

ダイエット・サングラス

街を見渡してみると、意外にこうした意識に欠けている飲食店が多い。お店を蛍光灯で明々とさせ、料理をその青っぽい光で照らしている。これではせっかくの料理も台無しになってしまう。それでも繁盛しているお店があったとしたら、それは本当に美味しいお店なのかもしれない。


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