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色彩の教科書(11)赤は人を興奮させる

赤を見ていると、何となく興奮してくる。皆さんの中にも、そんな経験をされた方は多いのではないだろうか。実は、赤には人を興奮させる力があるといわれている。
例えば戦国時代、戦士が自分を奮い立たせ、敵に向かっていく場面で、赤は好んで着られていた。「武田の赤備え」は勇猛なことで名を馳せた武田家の軍団を表現した言葉。彼らは赤備えだけでなく、フンドシまでも赤を着用していたといわれている。赤は、こちらに向かってくるような印象を与える「進出色」でもある。つまり赤で自分を奮い立たせた軍団が、大きな赤いかたまりとなってこちらに押し寄せてくる。赤い軍団はそんなイメージをより効果的に相手に与えることになる。
赤にはこうした闘争能力のほかに、運動能力を向上させる力もあるとも言われている。実際、英ダラム大学と英プリマス大学の研究チームは、赤いユニフォームを着るイングランド・プレミアリーグのマンチェスター・ユナイテッドやリバプール、アーセナルの3チームが常に順位表の上位を占めているのは偶然ではなく、その赤いユニフォームの影響が大きいといった研究結果を発表している。報告の中では、赤がテストステロン(男性ホルモンの一種)を分泌させるきっかけになるため、ということも言われている。

赤いのぼり
武田の赤備え


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