嫉妬・妬みの感情に飲み込まれそうなあなたへ

 「どうして自分はいつも他人を羨ましいと思ってしまうのだろう。」
 ここ最近僕がずっと考えているテーマです。
 嫉妬・妬みの感情を抱く回数をカウントしたら、僕は人類の中で上位数%に入る自信があります。自分がネガティブな感情になるとき、そこには必ずと言っていいほど他人と自分を比較してひがんだり、落ち込んだりする気持ちが芽生えているのです。
 例えばテレビで芸能人が活躍しているのを見るとき、好きなアーティストのライブに行くとき、もっと身近なところでは、同僚が誰かと楽しくしゃべっているところを目にした時でさえも、、、

 だからといってその妬みの感情は、「その行為自体をしたいのにできていないから」ではないのだということもわかっています。もちろんテレビで活躍できるのならしたいし、東京ドームで5万人にパフォーマンスを披露して感動させることができるのならしたいし、皆と楽しく仲良くできるのならしたいです。
 しかし、僕がうらやましいと思う根源的なモノはその行為ではなく、彼らが、「自らのやりたいことがわかり、それに向かってまっすぐ努力できていること」なのです。それが本当に羨ましく、それができていない自分がとてつもなく情けなくて悔しくて、苦しいのです。
 ライブなどは特にその感情が強く出ます。どこか自分とは違う世界にいるような存在だったものが、自分と同じ人間なのだということを強く感じ、同じ人間である彼らと自分の差が浮き彫りになって、翌日の夜に必ずと言っていいほど悔し泣きをするのです。「自分の一日は彼らの一日と濃さが全く違う。どうして自分はこんなにも努力できないのか。」と。
 まず自分が頑張りたいと思えるものを見つけなければ、、、

 ちょうどそんなことを考えていたタイミングでこの本と出合い、自分の考えは間違っていなかったのだと後押ししてもらえました。
 いつも他人がうらやましい。自分の人生がくだらないものに思える。
そんな人に自信を持ってお勧めできる1冊です。

「人生の勝算」 前田裕二

 SHOWROOM代表取締役社長であり、「メモの魔力」の著者としても有名な前田裕二さんの初の著書。
 著者が幼いころに母親を亡くし、お金を稼ぐために弾き語りをしていた幼少期からSHOWROOMを立ち上げて現在のポジションを獲得するまでの実話が書かれており、人生を成功に導くために自分にとって大切なことを選び、決めることの大切さが解かれている。

 あっさりしすぎたあらすじだと思われたでしょうか?
 現代の消費者が求めているものや、働くうえでの心構え等、仕事に活かせるテクニックも山ほど記載されていますが、僕の心にドンピシャに刺さったのは、そして著者が一番伝えたかったのは、「自分の目指す方向を決める」ということだと思うのです。

 この本にはこんな文章が出てきます。
「最も不幸なことは、価値観という自分の船の指針、コンパスを持っていないということ。そして、持たぬが故に、隣の芝生が青く見えてしまうことです。」「人の心は弱く、どれだけ他人が羨むような状況にあったとしても、得てして、隣の芝生が青く見えてしまうものです。(中略)SNSからは幸せそうな知人の近況が日常的に目に入ります。そのときに、自分にとって大切なことを選び、決めていないと、自分以外の他社の幸せが羨ましくて仕方なくなるかもしれません。」

 まさに今の自分にドンピシャな状況。著者が言うところの「最も不幸な」状況に、もう何年も陥っているのです。

 アーティストがまっすぐ夢に向かって努力できるのは、様々な生き方がある中で、「歌、あるいはダンス、パフォーマンスをする」ことで生きていくことを決めたから。
 自分の価値観がわかり、何を大切にするかを決めれば、モチベーションは勝手に湧いて来くる。モチベーションさえあれば、努力できる。辛いことも耐えられるのです。

「自分の進む道は、現時点では少なくともこれで間違いないと言える、信じ切れる、というところまでモチベーションが湧くポイントを見極めること」
これがタイトルにある「人生の勝算」なのだと思います。

 今、ぼんやりと自分のやりたいこと、自分が熱くなれることがわかってきています。間違いないと思えるまで価値観を見極め、勇気をもって決める。まずはそこに全力を注ごうと思います。

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