価値のあるアウトプットを出したいあなたへ

 スラムダンクの公開までいよいよあと9日!
 スラムダンクは僕の人生とは切り離せないマンガです。中学校の図書館で出会い、泣きながら読んで以来、今でも一番好きな漫画ですし、スラムダンクの登場人物のように、何かに打ち込んで本気で目標に向かうことが自分の中の価値観になっています。
 スラムダンク自体は最高の漫画ですが、もし出会ったのが今だったら、僕にとってスラムダンクは、また違った存在だったはずです。であったタイミングでの自分の環境、心情、そういうものが相まって、人生最高の1冊が見つかるのでしょう。
 タイミングといえば、一度読んだときはいまいち理解できない本もありますよね。でものちのち、自分のおかれた環境が変わったり、経験が増えたことで、かつて理解できなかった本が自分の求める答えをくれたり、現在の自分と紐づけることで理解ができるようになったり、、、
今回はそんな本の感想です。

イシューからはじめよ

マッキンゼーで数々の企業の分析、事業・商品開発を行い、現在はヤフーで活躍されている安宅和人氏の著書。
価値のあるアウトプットを生み出すために、イシュー、すなわち根本にかかわる決着のついていない問題について徹底的に考えることの重要さと、その考え方を説いている。
価値のあるアウトプットとは、イシュー度(置かれた局面でその問題に答えを出す必要性)が高く、かつ、解の質(イシューに対しての答えの明確さ)が高いもののことであり、そんな価値のある仕事をするためには
①ビジネス、研究対象の活動を徹底的にイシュー度の高いものに絞る
②絞り込まれた中で特に「イシュー度」の高いものから手をつける
というプロセスを経なければならない。
 成長は意味あるアウトプットをきっちり出すことからしか得られず、「徹夜で働く」「限界まで働く」という頑張り方は不要である。
 具体的にイシューから始めるアプローチは以下の通り。
(1)イシュードリブン
  今本当に答えを出すべき問題=「イシュー」を見極める
(2)仮説ドリブン①
  イシューを解けるところまで小さく砕き、それに基づいてストーリーの流れを整理する
(3)仮説ドリブン②
  ストーリーを検証するために必要なアウトプットのイメージを描き、分析を設計する
(4)メッセージドリブン
  論拠と構造を磨きつつ、報告書や論文をまとめる


 なんっっっていいタイミング!
 ちょうど昨日も、10月の店舗売上が落ち込んでいる原因を、なんとなくデータを眺めて、パッと目についた部分を掘り下げ、ガバガバな分析っぽい何かをしたところです(笑)

 今回の原因分析をこの本の通りにやるとすると
(1)イシュードリブン
  10月の店舗売上前年比が、他店平均よりも低い原因は?
(2)仮説ドリブン①
  前提・・・10月の当店の売上前年比が、他店の前年比よりも低かった
  イシュー…・・・売上前年比が低い原因は?
            3C:自社・競合・顧客で切り分けて原因分析
  自社・・・スタッフ不足で、お客さん対応・メンテナンス不足と、
       それによる社員業務の滞り
       昨年の売り上げが高かったことによる反動
  他社・・・近隣書店が売り上げを伸ばし、その分当店の売り上げが減少
  顧客・・・全国旅行支援が始まったことにより、客数・客単価の減少
       ついで買いの多い当店では影響大
  結論・・・前年比が下がった原因は○○
(3)仮説ドリブン②
  前提・・・前年比が低いデータ他店との比較
  イシュー・・・3Cで分析
  自社・・・勤怠サイトの勤務時間推移
       昨年の売り上げ実績
  他社・・・他店の売上実績
       9月までより売上や前年比が増加しているデータ
  顧客・・・客数・客単価が減少しているデータ
       大型書店、郊外型店舗で売り上げが減少しているデータ(4)アウトプット
  秘密

 いかがでしょうか。
 やみくもにデータを眺めるよりも、もれなく、ダブりなく分析を進めることができています。
 ただデータを眺めて、気が付いたことから手をつけていると、比較の際に考えねばならない条件を忘れたり、重要事項を見落としてしまったりするものです。
 また、仮説をしっかり立ててから検証することで、その検証が正しくとも正しくなくとも、わかることがあります
 今回の場合だと、「競合の店舗も売り上げは減少しているので、競合に顧客を奪われたわけではない→郊外型ではなく、館の中にある店舗の売り上げが下がっているのでは?」というように別の仮説に繋がることもあります。

 いままでも分析の真似事は好きだったのですが、この考え方を用いることで、ジグソーパズルのピースをひとつずつはめていくような、気持ちいい感覚を体験できました!
 今後は、イシューは何か→仮説→検証を繰り返して、自分の問題解決力を伸ばしていきたいと思います!

 分析をしている今だからこそ、読んで気付かされるものがある、タイミングがばっちりの書籍でした。
 少しでも分析に携わっている方は是非読んでみてください!

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