no.8 「運動と脳」

いつもご覧いただき、ありがとうございます😊

さて、今回のテーマは「運動と脳」について。

今後は更にスピードを上げて、世界的にAIの技術が進歩していきます。
ロボットや自動車、機械など身近な物も便利になっていきます。
その反面、人の体・脳は衰退してくと言われております。

日本のフィットネス人口は全体の約3.35%(約424万人)と言われており、世界の中でも30位でフィットネスを習慣にされている方が少ない現状です。

(2018年以降はコロナ禍もあり、フィットネス人口は伸びていないとされていますが、チョコザップの影響からもう少しは伸びているかもしれません)

今回、2024年3月に出版された、「脳」についての研究をまとめた本を読んでおり、運動や体を動かさない習慣がどのように体へ影響があるのか
新しい発見と、再度認識できた部分もありましたので、今回お伝えしていきたいと思います!!

《内容》
①筋トレを行うと分泌される成長ホルモン
②適正な運動量は「週に150分」
③運動は「脳と体の双方を鍛える」
④年齢と共に減っていくエネルギー消費量
⑤長時間座って動かない生活は老化を早める


①筋トレを行うと分泌される成長ホルモン

『成長ホルモン』は、皆さん聞いた事がある方が多いのではないでしょうか?

年齢と共に分泌量が減っていく成長ホルモンですが、運動(筋トレ)を行うと『成長ホルモン』が分泌されます。


成長ホルモンは減らない方が良い。
アンチエイジングには成長ホルモンが良いなど加圧トレーニングで注目もされました。

では、成長ホルモンはどのような効果が期待できるのでしょうか?
ざっくりですが、研究結果から生理学的に以下の7つの効果が期待できるとされています。

☑︎脂肪分解促進
☑︎タンパク質合成促進
☑︎脂肪酸の利用促進
☑︎コラーゲン合成の促進
☑︎腎臓機能アップ
☑︎軟骨の成長促進
☑︎免疫力アップ

②適正な運動量は週に150分

運動は健康に良いと研究結果も出ており、数十年前よりも運動に関する情報が溢れているが、現代人は自然な生理機能に反した生活を送っています。

その結果、デスクワーク中心の生活様式は、肥満・糖尿病・心臓病・認知症といったじわじわと悪化していく慢性的な病を蔓延させていきました。

反対に、長生きの人が多い国や地域(ブルーゾーンと呼ばれている)では、認知症などの脳疾患による知力の低下はほぼ見られず、欧米などの他の地域と比べて発症率が約75%も低い。
ブルーゾーンの人たちとの大きな違いは生活(習慣)で、毎日少なくとも1万歩は歩いているそうです。

運動不足は体のさまざまな不調や病気(肥満・高血圧・心臓病・糖尿病)の危険因子となり、さらにこのような病気は脳の健康の危険因子にもなっていきます。

スタンフォード大学での21年間の研究では、高齢のランナーは走っていない同年代の人より健康で長生きするという結果が出ており、人が必要とする運動量が科学的に研究され、時間で算出すると有酸素運動を週に150分と設定した。つまり、毎日約22分の運動を行うと達成となる。

また、時間やどのくらいの運動をするべきかだけでなく、どのような種類の運動が効果的なのか研究も行われた。
結果、年齢が上がるほど多様な運動が必要であり、運動強度も高いものも低いもの、どちらも必要ということが分かった。


③運動は脳と体の双方を鍛える

これまでの研究結果では、人は生まれながらにして決まった数の脳細胞を持っていて、25歳を境にその数が減っていくと考えられていたが、現代の科学者の研究によって、生きているかぎり新たな脳細胞作られることが分かった。

これは神経発生と呼ばれ、記憶を司り、感情をコントロールする海馬で起きると考えられている。
更に、運動が大人の神経発生を促すことが分かり、認知神経科学が大きく変化した。
さらに研究が進歩し、運動をすると脳内の成長因子である脳由来神経栄養因子(BDNF)という科学物質が増える事も分かった。
BDNFは既存の脳細胞を維持し、新しい細胞を成長させ、細胞間のつながり(シナプス)を増やす。

シナプスとは=簡単に説明すると、脳の中で情報を受け取り、次の細胞や器官へ情報を伝える働きをしている。


このような事はどれも、脳の可塑性に繋がる。
となると、脳の損傷への抵抗力が高まり、学習機能も精神機能も向上する。
神経発生が増えると、認知力(精神機能)が高まる。

逆に新しい神経細胞の数が減ると、老化が進んだり、気分の落ち込みが激しくなると考えられる。
25歳以降も活発に過ごしたり、運動をしたりすれば、脳が健康になるのは間違いないと研究結果から証明された。

更に、運動中に脳は体の組織に影響を及ぼし、組織から脳へ影響を及ぼす。
たとえば運動をすると、筋細胞からイリシンという特殊なタンパク質が放出される。
イリシンが循環すると、海馬でBDNFが生成される。
また、運動をすると身体的なストレスに強くなる。
運動中の筋肉から放出されるイリシンは、筋肉から脳への極めて重要なシグナルになり、ストレス耐性の作用を引き起こすと考えられている。

人の脳は身体活動に反応して機能を拡張していく構造となっている。
逆に体を動かさないと、機能を低下させ、エネルギーを節約させ、体を退化させていく。
(前回のミトコンドリアの内容と繋がりますね)

運動強度としては、中〜高強度の運動が脳にメリットがあるとされている。

【例】中〜高強度の運動
・早足のウォーキング
・ランニング(マラソン・ジョギングも)
・サイクリング
・筋力トレーニング(スクワット・ランジなど)


④年齢と共に減っていくエネルギー消費量


上の図を見ていくと、40歳前後を境にエネルギー消費量が減っていく事が分かる。
70歳になる頃には、無気力になり体を動かさなくなる傾向にある。
そうならないためには、常に日常的に活動量を増やし、目的を持って運動をすることで、年齢を重ねても不活性な日常にならずに済む。
年齢に関係なく、体をよく動かすように行動や生活・環境を変えれば、脳も体も健康になるという方向に向かってくとされている。


⑤長時間座って動かない生活は老化を早める

しかし、座ってばかりの生活だと、体への悪影響が大きいとされている。
データによると、死亡率は着席1時間毎に、何と2%上がる。1日に8時間以上座っていると、死亡率は8%に上昇する。

座ってばかりでほとんど動かない生活を長く続けると、心臓病・高血圧・長尿病・肥満・癌など、ほぼ全ての慢性疾患リスクが高まる。
これは年齢には関係なく、5〜17歳の子供にも当てはまる。

見た目にも影響があり、1500人の高齢者を対象にした最近の研究では、1日に10時間座って過ごし、尚且つ中強度の運動を40分以下の人は、体や健康面で実年齢より8歳老けている事が分かった。

理由は、座っている時間が長時間続くことで、筋肉はほとんど動かない。
その結果、脂肪の分解が減り、中性脂肪が除去されにくくなり、ブドウ糖が臓器に取り込まれず、ブドウ糖刺激によるインスリン分泌が減ってしまう。

体調が崩れやすくなり、懸命に運動しても、座ったままだと体を動かすことによって起きる体内の化学反応が起こらず、それどころか有害な化学変化が起きる。

有害な化学変化とは、長時間座っていると体内の炎症が増えるという研究結果も出ている。
炎症は老化の指標で、炎症が多ければ多いほど、どんどん老化が進む。
もちろん食べ物でも体の炎症が起きるが、長時間座っていればいるほど更に老化していくという事も発表されている。

更に、毎日モニターの前で1時間座って過ごすごとに、テロメアが7%ずつ短くなることも分かっている。
そして短いテロメアは短命につながる。

テロメアとは=染色体の保護キャップのようなもの。DNAを保護している



また、炎症は体内の脂肪細胞にも悪影響を及ぼしていき、蓄えられた脂肪が落ちにくくなり、もちろん体重も減りにくくなる。
こうなるとカロリー制限をしても効果が現れにくい。

・長時間座って起きている、体内の炎症を減らすこと
・長期にわたって活動量を増やすこと
・炎症を減らす食事に変えること(こちらはまた次回以降に紹介します)

これらを習慣的に運動を行うことで、血中の炎症性バイオマーカーは下がるとされている。
最大心拍数80%程度の高強度を、週に2〜3回、1時間ずつ行えると炎症は大幅に減らせるとされている。

“※最大心拍数計算方法:最大心拍数=220-年齢”

習慣をいきなり変えることは難しいが、1時間に1回、50分に1回は立ち上がるようタイマーを設定する

仕事の机もスタンディングの高さの机にするなど、身の回りの環境を変えてみるのも良い。

1人で行えないのであれば、環境に飛び込み
誰かと一緒に取り組むのも良い。

脳の老化も、体の老化も年齢と共に受け入れるのではなく
現代の研究では、老化は病気と同じで対策を打てるものとされている。

AIの進化と共に、体は老化・衰退しても良いのか?

生涯を「どのような体で、どのような生活を送りたいか」
どのようなイメージをお持ちでしょうか?

VITAで日々トレーニングに取り組んでいただいるお客様も
何かの運動を習慣に取り入れていらっしゃる方にも
今回の内容が参考になればと思い、シェアさせていただきました。

「運動がどのように体に影響を与えるのか?」
知っていて取り組むのと、知らないで取り組むのだと、全然違いますよね。行動のきっかけになれば幸いです。

いつか、日本のフィットネス人口が10%に増え
年齢(寿命)だけでなく、体も心も健康な日本人が増えていく事ができればと思っています!
(まずは、鎌倉市のフィットネス人口からですね^^;)

とはいえ、運動習慣を作ることを推奨させていただきましたが…
今年の暑さはとても危険なので(^^;;
熱中症には充分に気をつけて、屋内で運動されてくださいね!

それでは次回も「脳」をテーマにシェアしていきたいと思います!
最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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