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「選ぶ」を考える。エシカルな選択と美容室。

たとえばモノを買う時、ご飯を食べに行く時、髪を切る時。
何を基準に選んでいますか?
見た目・値段・雰囲気・口コミなど判断する基準はたくさんあります。
よーく考え、悩み、想像し、ようやく一歩踏み出す場合もあれば、なにも考えずにパッと行動していることもあるでしょう。

今回のお話は、「選ぶ」ということ。

・何気なく手に取った物
・美味しかったご飯
・そして通っている美容院
が、人や地球環境のためになっていたとしたら
なんだか嬉しくなりませんか?

選び方を考える。エシカル消費とは。

最近よく耳にするようになった「エシカル」という言葉。
単語そのものは直訳すると「倫理的な」とか「道徳的な」という意味。
倫理的・道徳的な消費と言われると分かりにくいのですが要するに
“人や地球環境に配慮された考え方や行動”
ということ。
何かを選ぶとき、何がどう影響しているのかを考え、選択する。
そんな消費のあり方をエシカル消費と呼ぶ。
「思いやりの心」や「譲り合いの精神」
エシカルとはそんな日本の良き文化をとらえ直したとも考えられます。
食品やファッション、美容などのモノの背景を知り、影響を考えて選択をする。
そうすることで日々の暮らしの中で

買い物などを通じて世界の抱えている問題の解決の一端を担うことができる。
なんて素敵なことでしょう。

美容室でのエシカル

美容室でも、エシカルな選択は可能です。持続可能な美容室を目標に掲げ、様々なモノをエシカルな選択によってチョイスしていく。本質的な部分を見つめ直す良い機会。

・使用するタオルをオーガニックコットンのものに変える
・またそのタオルを長く使うための工夫をする
・皮膚や髪、環境に対して影響の少ない施術を心がける
・できる限りオーガニックな製品で対応をする
・長く使える、飽きのこない丁寧に作られたものを選択する
・長く座っても疲れない椅子を用意する
・電力も可能な限りグリーンエネルギーにする


どれも「いつまでもヘアスタイルを楽しんでいただきたい」という僕たちの願いからくるもの。
タオルの使用量が多い美容院だからこそ選びたいオーガニックコットンのタオル。

農薬等の化学物質をつかわずに作られたオーガニックコットンのタオルを使用することが農場ではたらく人々の健康を守り、さらに環境汚染の軽減にもつながる。
さらに化学物質を使わない健康な農地を子供たち、そのまた子供たちへと引き継いでいくことが環境を守り、持続可能な未来をつくっていくことになります。

しかし結局大切なのは使い心地。

どれだけ環境に配慮されていても、持続可能な未来につながるとしても使い心地が悪ければ意味がない。これはタオルの本質。

お客様はふわふわなタオルで拭かれて気持ちがいい。

実はそのタオルは環境への配慮がなされている。

みんな幸せ。

最高。

そんな感覚で僕たちは様々なものを“選択”しています。
電力を多く使う美容室だから自然電力に変える。
カラー剤やスタイリング剤などはできる限りオーガニックなものを選び、お肌にも環境にも負荷を与えないようにする。
あげ始めたらキリのない小さなこだわりはらふるで髪を切ることが自然とエシカルな消費になる為の仕組みづくり。
髪を切ることで、知らずともエシカルな消費を実現できる。
そんな美容室が増えていくこと、そして当たり前になっていくと美容界はもっと面白く、クリーンなイメージになっていくのかもしれません。

オーガニックやエシカル、サスティナブルが当たり前。
そんな美容業界ってすごく良い。もっともっと美容室の(美容師さんの)魅力や価値が上がっていくのではと思います。

“どんなものをどう使うか”が重要なのです

最近嘆かれている海洋プラスチック問題もそう。
私たちの生活において切っても切れない関係にあるプラスチックが、昨今では深刻な海洋汚染を引き起こしている。細かく砕けてマイクロプラスチックとなり海を漂っているのです。

近い将来、海中のプラスチックの総量が魚の総量を超える(!)とか。

レジ袋の有料化もスタートし、意識が高まるなか、どうしても生まれる不便さやもどかしさ。

不要なプラスチックの使用は減らしたい。とはいえ私たちの生活においてプラスチックはどうしても必要不可欠。全てを排除することは難しい。
重要なのは
“問題視されたからプラスチックを使わない”ということではなく

“どんなものをどう使うか”。

たとえば耐久性のあるプラスチックを使い愛着の湧くような魅力的な商品をつくる。そしてそれを購入してもらう。いわば“末長く使いたい(使える)と思えるものづくり”。
消費者側も、「安いから」とか「とりあえずこれでいいや」で買うのを控え、ずっと共にしたい商品を選ぶこと=すなわち“選ぶ責任”があります。

そんな取り組みこそが環境問題の解決の第一歩となりうるのではないでしょうか。

僕たちにはずっと大切にしたい髪をつくる責任がある。

極論をいえば髪は切らなくても生きていける。すべての美容室が無くなったら地球環境は間違いなく良くなるでしょう。

でもそれではつまらないし悲しい。美容師として、根底にお洒落を楽しみたい(楽しんでいただきたい)という願いがあるのでその思いは捨ててはいけない。
ただ髪をデザインし、傷ませ、消費し続ける美容に疑問を持ったことが僕たち「らふる」のはじまり。
愛着の湧く、素敵なヘアデザインは大切にお手入れをしたくなる。傷ませたくないし、綺麗に保ちたい。
そんな末長く楽しめる髪を「つくる責任」がわれわれ美容師にはあると思うのです。

「お客様目線になって仕事をしよう。」

駆け出しの頃に師匠から何度となく言われ、指導する立場になった今も心に留めている言葉。
お客様目線はもちろんのこと、様々なモノ・コトの目線になって考え、選び、行動する。
そして思いやり・おもてなしの精神を持ち、ずっとお付き合いできる関係性をつくる。
末長く楽しめる髪をつくる。その為に末長く付き合えるモノ・コトを選ぶ。
技術うんぬんの前に大切にしたいこと。
そんな想いで成り立つらふるをどうか
“末長く”
よろしくお願いいたします。

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