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BS1スペシャル「医療崩壊〜イタリア・感染爆発の果てに〜」

BS1スペシャル

75歳の重症患者に病院にある最後の人工呼吸器を装着し症状が回復し始めたところに、新たに重症の45歳の患者が運ばれてきたときどうするか。
マイケル・サンデルの授業での議論ではなく、これが実際に起こったこと。

命の選別のガイドラインが作成され、助かる可能性の高い患者を優先的に治療する方針が示された。これには救急医以外の家庭医やカトリックを重んじる医師から反対意見が多く出たようだ。
ピーク時には救急でも病状を聞いてどこに先に救急車を向かわせるか選別が行われ、病院に連れて行くかどうかの選別が救急車到着後更に行われた。
病院にいったらどうなるか分かってきたベルガモの人々が下さざるを得なかった消極的選択。病院に行かない選択をした家族も多かったようだ。
酸素吸入を行った患者から再び装置を外しその場を去らねばならなかった救急隊員の辛さは想像を絶する。どんどん呼吸が苦しくなってゆく患者とその家族をその場に残してゆかなければならないのだから。
自宅にいる患者向けの緩和ケアは死にゆく患者の最後の尊厳を守り、家族の気持ちを少しでも楽にするために始めたという。

医師といえども人の死に慣れることはない。
全て過去形で語られているが、患者・家族、そして医療従事者、関わった全ての人たちの心の傷は深い。

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