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海外ドラマ「ブラウン神父」Season3 60年代のコッツウォルズが舞台のミステリー

原題 Father Brown
製作 BBC
製作年 2015
監督 ポール・ギブソン他
原作 G・K・チェスタートン
キャスト マーク・ウィリアムズ、ソーチャ・キューザック、ナンシー・キャロル、アレックス・プライス、トム・チェンバース他
評価(10段階): ★★★★★★☆☆☆☆

Season2は退屈な割に血なまぐさいなという印象だったので15話もあって大丈夫かと心配だったSeason 3。
好みではない回もあったが、時代背景が感じられたり、さらには過去の歴史的な広がりもあるものもあって楽しめた。

間違って罪をきせられたり、罪を被せられたりしたら死刑になってしまう。
それなのに毎回毎回、サリバン警部は割と簡単に誰かを逮捕してしまうので心配になる。
ブラウン神父が真犯人の魂を救おうと自首を勧める回も多く、神父の設定が生かされていてよかった。

各話の感想(ネタバレ含む)。

1. The Man in the Shadow

MI5絡みの事件。ソ連との二重スパイも絡んでくるが、気軽に見られるエピソード。

2. The Curse of the Amenhotep

エジプトから持ち帰ったミイラを覗こうとするものに襲いかかる不幸。アメンホテプの呪い。
ブラウン神父らしいといえばらしいが、好みではないかも...

3. The Invisible Man

ケンブルフォードにやってきたサーカス。
お金持ちになったら結婚するとジョークで言ってしまったことから起こる事件。それを真に受けたサーカス団員であるピエロのレジーと催眠術師のウェルキン。
最後、一つの場所にとどまることなく旅を続けるサーカスらしく姿を消すウェルキン。なんだか切ない回だった。

4. The Sign of the Broken Sword

ダンケルクの英雄とされる大佐。実際にダンケルクで何が起きたのか。
大佐の決断一つで失われた命を思うとやりきれない。

5. The Last Man

恒例のクリケットマッチ。その直前に殺されたのは街の人を恐喝するなど素行に問題のあった人物。
人数が足りなくなって呼ばれたインド人の医師への街の人々の冷たい目。
印象的だったのがブラウン神父とジェーン・ミルトンとの友情。最後、2人でクリケットを見ながら話すシーンも良かったし、一年後に彼女のワインを飲むブラウン神父も良かった。

6. The Upcott Fraternity 

(fraternity: 友愛、協同団体)
ブラウン神父の母校での事件。シドが神父として潜入。
ブラウン神父とシド、2人の役割分担が良かったように思う。

7. The Kembleford Boggart

Boggartはケルト神話に伝わる妖精の一種。ハンナの書いた小説に登場する。
父親として娘にちゃんとした相手と結婚してほしいという思いが行き過ぎた故の事件。
毎年夏にケンブルフォードにやってくるトラベラーズ。マッカーシー夫人の彼らへのあからさまなよく思っていない態度。それでも街の人々、そして観ている方も彼女を嫌いになれないのは根の人の良さがあるからだろう。

8. The Lair of the Libertines 

(lair: 隠れ家、libertine:放蕩者)
ブラウン神父たちが迷い込んだ、怪しい人の集まる館。
アヘン入りケーキが出てきたり、とにかく怪しい。
基本的にサイコパスが犯人という話は好きではない…

9. The Truth in the Wine

ワイナリーでの事件。登場人物がみな少しずつ嘘をついているけれど、皆善人で、ハッピーエンドで終わる、爽やかな回。

10. The Judgement of Men

ナチスがユダヤ人から掠奪した美術品が題材。
よくある題材ではあるが、フランボウの過去と絡めてあって良かった。時には協力する、ブラウン神父とフランボウとの良い意味でのライバル関係が今までよりはっきりと描かれていてすっきり。

11. The Time Machine

父が家族の誰かに殺されたと疑う息子。タイムマシンでその真相を確かめると主張するが、彼もまた殺されてしまう。
陸上で良い結果を出し続けなければ父に愛されないと思い、ドーピングをし、更に殺人までしてしまう、辛い回だった。

12. The Shading Stones

街で流行るポリオ。何とかして流行をとめようと、伝承に頼り生贄を捧げようとする人たち。子供を救うためなら親ならなんだってするかもしれない。そしてそれを利用しようとする者。
ポリオは50年代まで世界各地で流行した。(参考:ポリオの歴史)
首謀者以外の儀式に参加していた村人たちにはお咎めがなく、看護師も普通に勤務に戻っていたのにはちょっとひっかからないでもなかった。
警察官の役の俳優、どこかで見たと思ったらシェイクスピア&ハサウェイの事件簿のフランクだった。

13. The Paradise of Thieves

強盗に出くわしたブラウン神父たち。金庫を開けろという命令で開けてみるとその中には死体があった。
銀行への無断侵入など、だんだんやることが大胆になっている気がする。

14. The Deadly Seal

告解でこれからタルボット司教が殺されると聞かされたブラウン神父。しかし実際に殺されたのはタルボット司教ではなく別の人物だった。
ブラウン神父は告解での内容を決して外部に漏らさないようにしながら、事件を捜査していくのがもどかしくもあり、面白くもあった。
内容自体はよくある交換殺人なのだが、演劇も絡めて意外性のある、面白いエピソードに仕上がっていたと思う。

15. The Owl of Minerva

殺人容疑をかけられるサリバン警部。その背後にはイルミナティ(秘密結社のようなもの)の存在。
サリバン警部がなんだかんだ信頼されていることが感じられて良かった。
アルバート、正義感もあり有能だっただけに(顔もかわいかった)、殺されてしまって残念でならない。

ブラウン神父 Season1 感想
ブラウン神父 Season2 感想

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