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海外ドラマ「Vienna Blood ヴィエナ・ブラッド」SHERLOCKの脚本家が描く世紀末ウィーン

原題 Vienna Blood
製作 BBC
製作年 2019
キャスト マシュー・ビアード、ユルーゲン・マウラー他
評価(10段階): ★★★★★★★★☆☆

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あらすじ
1900年代のウィーン。英国人研修医のマックスとラインハルト警部が怪事件や難事件に挑む。

世紀末ウィーンを舞台としているだけでもう個人的には面白い。
1900年頃のウィーンといえば一見華やかだが、戦争前で、人々の不満や社会の歪みが少しずつ浮き彫りになった時代。

マックス・リーバーマンはイギリスからウィーンに移り住んだユダヤ人一家の息子。研修医として学ぶが、当時はまだまだ異端だったフロイトに傾倒している上に事件捜査にも関わり始めたことで指導教官からは目をつけられている。そしてマックスの恋人のクララはウィーンで社交会への入り口となってくれた、一家にとっても大切な人だが、なかなか結婚に踏み切れずにいる。
心に傷を抱え、仕事しかないと思い詰めるオスカル警部はそんなマックスを頼りに難事件の解決に挑んでゆく。

1話はそれぞれ前後編に分かれている。各話のタイトルは以下。
1. The Last Seance (seance:交霊会)
2. Queen of the Night (夜の女王)
3. The Lost Child

ウィーンを治めるハプスブルク帝国は多民族国家だが、1900年頃にはあからさまな異民族排斥の動きも出ていた。チェコ人やハンガリー人、そしてユダヤ人などがその対象だった。各回の事件をマックスという英国ユダヤ人の視点から観ると、その時代の華やかさとは違った面が見えてくる。
3話はマックスの甥の話。当時は帝国に貢献し、国民としての平等な権利を得ようと軍に志願していたユダヤ人も多数いた。そんな背景もある。

ドラマのタイトル、Vienna Bloodはウィーンを中心に活躍した作曲家、ヨハン・シュトラウス2世の作曲したウィンナ・ワルツ、”ウィーン気質”から。

Season2もあるようなので、私生活がなかなか上手くいかないマックスとオスカル、2人のコンビに期待。


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