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手術後、夜から3日目まで

手術直後はまだ痛みも本格的ではなく、目が覚めた!という嬉しさと開放感で興奮しており、自撮りを夫や母親に送りつけることさえしていたが、
やはり傷の小さな内視鏡手術とはいえ影響はあった。

当日夜、2日目、3日目昼までが地獄だった

当日夜の記憶はあまりないというか、寝たり起きたりうつらうつらしていて。
いつの間にやら夜が明けた、という感じ。

個室だったからいいものの、かなりウンウン唸り声も上げたような気がする。
身の置き所がない、といった感じだった。

痛いというよりは背中につけられた手術傷から血液を流すためのドレーンと、尿道カテーテルと、血栓防止のための膝下の足マッサージ機、心電図、酸素濃度の機械コードやら、点滴の管がブラブラ、辛かった。せめて仰向けに寝られたら!と思ったが、手術が背中なのだから、横向きにしか寝られない。

右向きか左向きに少し背中を丸めて寝てはいたが、いろいろと繋がれているため、寝返りを自分でできない。体を動かしたい時には都度、看護師さんに頼まなくてはならない。

体の大きな私を、コードを絡まないように、1人で方向転換させるのは大変だったんじゃないかなぁ。夜勤の看護師さんは男性だったけれど、私より肉付きは多少よかったものの、小柄に見えたし。

しかも、電気をつけておかれると眩しいので常夜灯のみにしてもらっていた。
暗闇の中、作業してくれたのは感謝しかない。改めて看護師さんというのはすごいお仕事だと思う。夜通し、3時間おきに痛みどめの点滴と、抗生剤の点滴、バイタルをチェックしにきてくれたが、術後の熱も上がってきて、私は余裕のない態度をとってしまったかもしれない。まぁ、相手はプロだ。気にしてない、というか記憶にも残ってないだろう。

マクラにしているタオルが硬くて辛いから、クローゼットから柔らかいタオルを取ってもらったり、尿道カテーテルが違和感ありありで、なんかおしっこしたい!とか、色々言った気がする。

熱があるからなのか、急に寒く感じてカイロ取ってもらったり、暑くて布団を剥いだり、まぁ忙しい一晩だった。

術後2日目もずっとベッドの上

身の置き所がないのを継続している術後2日目。2日目もベッドから動くことはできない。
コードもどれも外れない、、、。
眠いのに、眠くならない。せめて寝ていれば時間が経過するのに。
でも携帯で動画を見る気にもならない。
長い長い一日だった。

明日、明日になったら、全部外れるから。看護師さんもそう言ってたもん!
それまでの我慢だ。

こんなに時間が経つのが遅く感じたのは久しぶりだった。

本当は良くないのかもしれないが、自分でひじをつきながら寝返りを打ったりしてみた。意外とできたが背中から出ているビニールチューブ(ドレーン)が痛くて痛くて。ちょっと触ってみたが、自分の背中からチューブが出ているのが、不気味で、怖かった。

看護師さんが、朝に熱いタオル体を拭いて、手術着からパジャマに着替えさせてくれた。尿道カテーテルが外れるのかな?って思ったら、それは明日までつけとくのよ、と言われ、凹んだ。
こんなに管だらけなのに、器用にショーツまで履かせてくれた。尊敬。

尿毒症が怖いから、とデリケートゾーンまで念入りに拭いてくれたが、注射を打たれている時と同じように目を逸らして、終わるのをただ待っていた。

手術前に水を用意していたが、思ったより飲んでしまい枯渇してしまった。
焦った。2本(500ミリリットル✖️2)では到底足りなかった。
看護師さんに言えば買ってきてくれたかもしれないが、なぜか言いたくなかった。自分でどうにかしたい、しかし、歩くことできないし!どうすれば、せめてあの数歩の場所にある洗面台から、水を汲んでもらうように頼むか、、、と思っていた夕方。

部屋に病院の1階に入ってる売店の人がやってきた!
この病院は売店の人が各部屋を回って移動販売をしてくれるサービスがあったのだ。なんてラッキー!

運良く水を手に入れられて、本当に安心した。
のどの渇きももう怖くない。
おかげで、尿パックがパンパンになってしまい、看護師さんが大変そうだったけど、、、、。

満杯の尿をパックに移している時、多分、匂いがアレだったのか、、、むせた方がいて、私も好きでやってもらっている訳ではないが、なんか私の尿が申し訳ない、っていたたまれない気持ちになったぜ。尿って溜まったらそりゃ臭いよね…。

そしてやっと迎えた術後3日目!

どんよりと長い夜を超えてようやく朝ーーーーー!!
朝の検温!
点滴が外される。これだけでも嬉しい。腕が身軽になる。

足の血栓防止マッサージ器が外される。
あーーー足がパタパタできる。嬉しい。

そして先生の回診!待ってましたー。
担当の先生が休日ということで、やけに若く見える先生が代わりに背中のドレーンを外してくれる。あーよかった。これで仰向けに眠ることができる。
やっぱり人として背中からコードが出ているのは普通ではない。嬉しい。

さーあとは!これを外して看護師さーん!
尿道カテーテルをすっぽり抜いてー!

とワクワクしながら待っていたが一向に声がかからない。

。。。。。。

。。。。。。

待ちきれずに訪ねてみると、なんと、、、カテーテルを外すのは夜勤の看護師さんではなく、日勤の看護師さんの仕事らしい。夜勤でも、日勤でも私にはどっちでもいいんじゃい!早く取ってくれよぉ、と思いつつ。
大人なので、あー…そうなんですねぇ…と納得したふりをした。

が。内心、ふざけんな!外してくれよ、もう!とイライラ(もちろん看護師さんが悪いわけではないけれど)。

そして、ようやく昼前に日勤の看護師さん登場ー!

ベッドの上で外してもらうのかと思ったら、部屋のトイレまで歩けるか聞かれる。トイレでしゃがんだ状態で外してくれるらしい。

へぇ。
約2日ぶりに自分の足で歩く。ふわふわしているが、歩ける。
そして、、痛くもない!腰も足も痺れなく歩ける!
なんてすごいんだ。
これが手術か!

何ヶ月も苦しんだ、あの足の激痛。
あれが消えている。
この感動をどう伝えていいのかわからない。

手術前、どんどん体が悪くなって、痛みが強くなって、普通に今までできていたことができなくなって、、、痛み止めをタイマーをかけて飲んで、、、そんな生活だった。夜中に痛みに耐えかねて、目が覚めて、意識朦朧としながら痛みで震える手を抑えながら薬を飲んだ日々。

神様仏様、死んだ父さん、、、もう誰でもいい、どうか助けてくれ。これは一体なにの罰なんだ。私はどうしてこんなに痛みに耐える生活をしなくてはいけないんだ?お願い、この痛みが消えるなら私は良い人間になります!と泣いてしまったこともある。

それが、こうやって痛みが分かりやすくとれているのだ。

そんな感動もいっとき。
今度は尿道カテーテルが外れた身軽さの感動まで!
自分の足で自分の意思でトイレに行けるって素晴らしい!嬉しい。

入院て本当に健康が有り難く感じるものなのね。すごいね。
一旦できなくなってしまった当たり前が、またできるようになった喜び。当たり前は当たり前ではないのだと、知ったこと。

普通に歩いて、食べて、排泄ができる喜びがこんなに感動的だなんてね。

本当の幸せがなんなのかって、ちょっと思うよね、価値観が変わりそうだ。

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