おばさんなんだかおじさんなんだかよくわからないおばさんのバイオリン

2021年02月22日

間が空いてしまったけど、前回引っ越しすっぽかして公園に行った時の話。

コーヒーとパンがあれば乙だななんて思って、とりあえずパン屋へ。
パン屋は池を跨いで反対側なので、散歩がてら池を半周する。

すると、池の水がなくなっていた。
今まで池だったところは、泥と土の境目ぐらいのベチャグチャした土地になっていた。
そういえば、水の上に浮かんでないアヒルボート、初めてみたかもしれない。

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テレ東の人気番組のやつを、今度は行政主導でやったらしい。
池抜くシリーズ恒例の”とんでもない量の外来種”も大量に捕獲できたらしい。
在来種のモツゴ998匹。対して外来種ブルーギル3515匹。
外来種強すぎん?桁が違うじゃん。

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水のない池を眺めながら公園を半周して、パン屋に辿り着き、パイ生地の中にチョコが入ってる、お洒落すぎて覚えられない名前のパンとコーヒーを買って適当なベンチに座る。
座った瞬間風がふく。冷たい。自然が俺の読書の邪魔してくる。
町田康の『ギケイキ』を鞄からだして、ページをめくる。超面白い。今、源義経が口から火を噴射して昔馴染みの陵介重頼の邸宅を焼き討ちにするシーン。めっちゃくちゃ面白い。

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めくればめくるほど、風が強くなっていく。
結局、2ページくらいで断念。本をしまう。本しまったら風が止んだ。どういうこっちゃねん。

大人しく家に帰る。
途中、イベント広場的なエリアからバイオリンの音が聞こえる。
一段上がった舞台の端っこに、モスグリーンのベレー帽かぶった、やたら背の低い、おばさんなんだかおじさんなんだかよくわからない、でも多分おばさんであろう人がバイオリンを弾いていた。
すっごく怪しいけど、なんか嫌いになれない空気感。
おばさんは、屋外でなんの役にも立たないであろう、めちゃくちゃに小さいBluetoothスピーカーから伴奏を流して”ハウルの動く城のテーマ”を弾いていた。
めちゃくちゃ怪しいけど、ハウル好きに悪い人はいないから、ベンチに座って聴くことにした。
これが結構良くて、ちゃんと感動してしまった。
結局その後の2曲も続けて聞いてしまった。とてもいい。よかったので、お気持ち程度の投げ銭もした。
「あ、ども。どもです。どもです、どもです。あざす。どもです、どもです。」と以上に早口で言われた。やっぱり変な人だった。

陽が傾いてきたので家に帰る。
結局本はちょっとしか読めなかったけど、盛り沢山だったし、なかなか歩いた。疲れた。
家について、コートを脱ぎ捨てて、布団に横になる。このまま30分くらい寝てしまってもいいな。
それにしても汚い部屋。なんでこんなに物が出しっぱなしになってるんだ。段ボールも出しっぱなしだし。
あ、引っ越し。ガムテープ買いに行かなきゃ。
またコートを羽織って、家をでる。

(引っ越しはなんとか無事終わった。僕は今、これを新居で書いている。)

※以前書いていたアメブロからの転載記事です。
https://ameblo.jp/yosidayy/

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