夏は暑く、冬は寒い僕のアパートのこと。

2021年02月11日

いいかげん、引越の準備を進めねばならない。
とりあえず、引越当日の一週間後までに使うことのない荷物をまとめてしまおう。

午前10時に近所のドラッグストアへ向かい、持ち前の愛嬌でもって、薬剤師兼レジ担当ベテラン風パートおばちゃんを口説き落とす。大容量段ボールをゲット。

二時間ほど荷造りをしているとガムテープがなくなった。
買いに行かなきゃ。
上着を着込んで外に出る。暖かい。日が真上まで昇ってる。

”外の方が家の中よりあったかい”という怪現象がこの安アパートではよく起こる。
ステータスを家賃の安さと駅からの近さに全振りした分、住環境のパロメーターが極端に低い。
五角形のグラフに表したらめちゃくちゃ歪でバランス悪い。角、鋭利すぎ。凶器じゃん。

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”夏は外より暑く、冬は外より寒い”がこの家の特徴。
夏。屋根が薄いので、直射熱がダイレクトに家を蒸し焼きにする。ロフトの壁に窓がついているが、なぜかはめ殺しになっている。おしゃれのつもりなのか?こいつが開かないせいで、屋根からの熱の逃げ場がない。
冬。隙間風が室内温度を奪っていく。暖房はついてるが、ロフトの存在を考慮しない変に低い位置についているので、暖気が全部上に逃げていく。居住スペースがやたら寒い。床が冷たい。
おまけに半年前から家の前にどでかいレンタルガレージが建ったので、日光が全く入らない。日照権を求めて訴訟を起こしてやりたい。負ける気がしない。
あと話逸れるけど、うちのアパートの隣が水産加工会社で、主にアタリメなんかを作ってる。だから家の前の道路がやたらイカくさい。
(ちょっといい話も。下の階のおじちゃんが野良猫に餌あげまくってて、いろんな猫が出入りしている。夜中になると、猫の鳴き声と窓をひっかく音、そのあとに窓を開ける音とおじちゃんの猫語、最後にありがとうの鳴き声と窓を閉める音。このルーティーン。おじちゃんと野良猫の生活音。可愛い。)

厚手の上着を薄いのと取り替え、外に出る。
いい天気。
そうだ。最近新しい本を仕入れたので近くの公園で読もうっと。
再び家に戻り、おニューの町田康『ギケイキ』と、途中だったスピノザ『エチカ』、阿久津隆『読書の日記』をベンチ要員としてカバンにいれる。

その公園は、武蔵野三大湧水池の一つに数えられるおっきい池を中心に、雑木林や遊歩道が整備された、家族が休日をのんびり過ごす用の公園。
僕的見所は謎にでかいメタセコイヤが生えてること。ほぼジャングル。

家の鍵を閉めて、公園へと向かう。
ハードカバー二冊と文庫本一冊だから、カバンが重たい。

この時すでに、ガムテープのことは忘れている。
(長くなったので、公園についてからの話は後日また。)

※以前書いていたアメブロからの転載記事です。
https://ameblo.jp/yosidayy/

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