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諦めの効用

同じ組織の中の、同じチームメンバーから、
私の提案に対して、反論があった。

「賛成、て、言っていたのに、どうして反対するの?」
「この前言ってたことと、違うじゃない!」と、私は、ムカッとした。

最初の着想は、同じだったのに、
どんどん具体的にしていったら、
「それは、自分の考えていたことじゃない!」と言われた。

確かに、今、改めて聞いてみると、
最初の抽象的なイメージの段階では、一致していたけど、
実は、具体的なイメージは、全然違っていた!

そして、全然違っていた相手の具体案に、私は賛成できないし、
相手も、私の具体案に、賛成できない。

「そうだったんだ~!」
具体案を出してみて、初めてわかった。

どちらの案も、ありだよね、と、頭では考え始めているけれど、
自分の心の中に、固いものがあるのを、感じた。

「自分の案が、正しい!」「相手の案では、みんなが混乱する~!」
と叫びながら、固くなっている。
「私は、絶対に、受け入れられない!」と言っている。

相手も、同じ。
相手を説得しようとしても、無理。

「分かり合えそうにないなあ」と、あきらめの気持ちになった。

「じゃあ、どうする?」
ふと、二人のにらみ合いから抜け出て、
上の方から、二人を眺める意識になった。

「私は、どんな人として、ありたい?」
「私に、どんな選択肢が、ある?」

以前は、「正しい意見が通る」「相手を説得できる」と思っていたし、
「諦めてはいけない」と思っていたけれど、

「分かり合えそうにないなあ」と諦めることで、冷静になれるなら、
諦めも、悪くないね! と思った。

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