ジョブ理論を説明する

ジョブ理論はなぜ顧客が製品を購入するかについての理論である。この理論では、顧客が製品を購入する仕組みは、以下のように説明される:
①あるシナリオにおいて、顧客は、成し遂げたい進歩がある。これをジョブと呼ぶ。
②顧客は、自分のジョブを達成する上で最とも優れている製品を購入する

具体例を挙げる。
ドリルを買いたいという顧客が存在するとしよう。その顧客によくよく話を聞いてみると、ドリルを使って家の壁に穴を開けたいらしい。その理由を聞くと、家族で旅行に行ったときに撮った写真を印刷して、フレームに入れてリビングの壁に掛けるために穴を開ける必要があるかららしい。
この場合、この顧客のジョブは、「家族の思い出の写真を家族全員に頻繁に目につくところにおく。それによって家族全員が旅行の楽しかった思い出をいつも思い出すことで家族の絆を確認し続けること」といえる。
このジョブの場合、ドリルは一つの解決策かもしれない。ただ、こういって整理を行うことによって、ドリルが唯一つの解でないことが分かる。このジョブを果たすのであれば、リビングにモニターを設置して、家族の写真を投影するのであっても十分かもしれない。

ジョブ理論で考えることはどういう人にとって役にたつのだろうか?製品開発を行っている人々に役に立つ*。製品開発をしていると、手段から入らないで、製品の想定顧客についての深い理解を通じたうえで、解決策を練ってから開発に取りかかりたい。
なぜかというと、そういった顧客の理解が疎かであった場合には幾多もの問題が発生するからだ。具体的に3つあげると (i) 作ってみたけど顧客が本当に欲しいものではないことが分かる (ii) 顧客に満足してもらう上では必要となる開発コストなどの観点からもっとマシな選択肢があったにも関わらず、その選択肢を取れない (iii) 想定顧客にとって重要度が高いと認識している問題があり、その問題を解決することが可能であったのにも関わらず、より重要度が低い課題から取り組んでしまう。
ジョブ理論を念頭に置いて製品開発を行えば、顧客の理解と解決策を切り分けることができるので、失敗をしにくくて済む。先述したドリルの例でいえば、壁に穴を開けたいという表層的な問題の話を聞いてすぐにドリルの製品開発をすることを避けれる確率があがる。

まとめ
簡単にだが、ジョブ理論が何であるかを説明した。また、製品開発している人に役に立つということを説明した。

*ジョブ理論で考えることは、マーケティング戦略を考える人とかにも役に立ったりする


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