「「自己中」の正体/齋藤孝」

「おれはまた自己中なやつだな〜」と悩んだ末に購入。解決方法を求めてすがった形になります。

本書は明治大学文学部教授の齋藤孝氏が書かれた本書は肥大化したエゴ、いわゆる自己中とは一体なんなのか、そしてエゴはどうあるべきか、を歴史を中心に学ぶ内容になっています。

ありきたりな話ですが、私には悩みがありまして。20年来の友人が最近相次いで結婚してしまって、私だけ残されたような状態になってしまいました。けっこんしてぇ!幸せな家庭を築きてえ!と思うものの、相手のある話ですから自分がそう思うだけではうまくはいかず。
上記の友人に相談したら、(細部は端折りますが)お前自身の問題だ、ということで自分の何がいけないか曇りなき眼で見定めるために(もののけ姫風に)この本を手にとったわけです。

肥大化したエゴと社会性の折り合い

生物の本能として種の存続というものがあるかと思います。繁殖行為をして子孫をなすことで自分自身の存続を超えて種そのものが続くようにしていくのが本能です。

人間とこの本能は、平成前半ぐらいまでいい塩梅で同居していたと思います。家の存続とかコミュニティの存続が、人生の大きな役割の一つになっていて。個別の人間はそういう役割の中でやりたかったことを諦めたりとか、存続を優先した婚姻を結ぶとか苦しい思いもするんですけど、その御蔭で種の存続がなされるといった側面があったように思います。

いまどきはこんな考えはしませんよね。私もしません。
自分の人生を成す。個の尊重というものをつよくつよく声高に叫ばれているわけですから、種を超えて個を大事にするのは当然の流れです。

さらに、今は世界で繋がってます。日本とかムラとか家とかそういったレベルで見ること自体がなくなってるのかなーとも。これを破ったところで罰則もありませんしね。

残念なのはこの事象に対するアンサーが本書にないこと。種や集団の存続より個人の人生を取るなんて今後大変だよねー、種の存続の本能もそこまで強くないんだねーくらいで済まされています。参考になるならないは置いといて、著者の考えを知りたかったんですが!
若い人にお金を配りましょうみたいなことは書いてありますけどね。自己中とかエゴに触れるわりには自分で「エゴを超えてこう考えていこう」と意見を述べないのが心底微妙と言えます。

まとめ

本書を読んで収穫もありました。
私は「自分の人生を成す」という傾向がそれなりに強いほうなんだと思います。家やムラなどのコミュニティの存続よりも個を求めていた側面は否めません。これまでお付き合いしてた方ともそういう部分でギャップを感じたこともありましたし。

自己中な自分が見えたので、答えは自分で考えてだすべきですね。いいきっかけになりました。

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