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カナダ州推薦永住権プログラムについて考える②

以前も「カナダ州推薦永住権プログラムについて考える」という記事を書いたのですが、また動きがあったのでもう少し書き足すことにしました

以下は単に個人の考察ですので、カナダ永住権を本気で検討されている方は政府公認の移民カウンセラーもしくは移民弁護士へのご相談をお願いします


ユーコン準州

ユーコン準州は2024年国から割り当てられている州推薦枠の承認上限数に達したという理由でホワイトホースの雇用主の元で働く人からの新規申請受付を止めました

「2024年国から割り当てられている州推薦枠の承認上限数に達した」
という部分はとても重要で、各州は国からその州で推薦できる人数を割り当てられています
今はFederalの永住権制度Express Entryの足切りポイントが高くなっていることもあり、比較的移住者が少ないと認識されがちの州に永住権狙いで人が移る傾向があります
上限がある以上、同じように州移動者が増えている州は自然と競争が激しくなりますし、上限に達しそうな勢いの場合は今回のユーコン準州のように新規受付を止められる可能性もあるので、州移動するとしてもそこで何か不測の出来事があったときにどうするかは検討した上で移動された方がいいかもしれません

New Brunswick 

New Brunswickでは新規永住権申請ではなく、Skilled worker programのinvitation to applyを一時的に止めるという措置に出ました

https://www2.gnb.ca/content/gnb/en/corporate/promo/immigration.html


非常に面白い措置だと思っています
上記にもあるように「新規申請は止めていない=申請者は増える一方」となり、ユーコンの時にも書いた通り州推薦枠には上限があるので、この二つの点から「先着順で承認せず、人を選んでくるのか?」と想像しています
また国の管轄下にあるAtlantic Immigration Programで申請するように州が薦めているのも重要なポイントです
AIPも激戦区になる可能性があるので、そこは頭に入れておいて損はないと思います
さらに「New Brunswick Private Career College Graduate Pilot Program」は止めていないことも注目すべきポイントです
学生時代からNew Brunswickを選んでくれた人を優遇しているようにも見えるので、恐らくNew  Brunswickにも州移動者が増えていて、その土地に縁の薄い人達のSkilled worker programでの申請が増えているのかもと想像したりします
州推薦プログラムはあくまでその土地に根付いてくれる人を求めている傾向があり、別州からの移動者は永住権が取れたら元の州に戻るのではないかと警戒されることがあると聞いたこともあるので、もしかすると職種だけではなく、いろんなバックグラウンドも含めてPoolにある申請者をじっくり見て承認してくるのかもしれないですね (あくまで勝手な想像です)

マニトバ

私が一番謎に思っているのがマニトバです
マニトバでは2024年に有効期限を迎える一部のforeign workerに対してwork permitの延長措置ができると移民大臣が発表しました

マニトバ州による国への懇願で実現したそうですが、とてつもなく不思議な措置です
マニトバの州推薦制度は以下で確認できます

今のニュース記事によると延長できるのはマニトバの学校を卒業し、Post  Graduate Work  Permitを取得した人達と読めます
これだけを読む限り、マニトバの学校を卒業してPGWPを得て、卒業後にマニトバで働いていれば永住権がguaranteeされるように誤解されてもおかしくない措置です
進学先で人気なのはBCとオンタリオでマニトバにも学生を呼び込みたいという意味で優遇する気持ちは分かりますが、24年に発表された学生ビザ発行数を州人口数に比例して配分し、上限を設ける措置と昨今のExpress Entryの足切り点の高さから24年秋以降はBCやオンタリオ以外の州の学校も人気になる可能性は高いです
一度こういう措置を取ってしまうと将来「24年は元学生が優遇されたのに、、、」と批判を浴びる事態になりそうな気もするので、正直安易な判断だったように感じています
本気でその人材がマニトバにとって必要な人材であれば他の州のPGWP所持者のようにビザ期限後はLMIA必須のwork permitへの切り替えが妥当で、温情を与えるとすればLMIA申請時に雇用主が必要な申請費用の免除の方だったのでは?と思っています
この方法を取れば雇用主はLMIA申請費用を気にせずに済むし、カナダ人と永住権保持者の職を奪っていないという従来守るべきポイントも守ることができる
他州にも同じように州推薦プログラムに申請中なのにビザ期限が迫っている人はたくさんいるので、今回の措置は説明不足かつ安易な決断だったと個人的には思っています

まだ、詳細は正式に発表されていませんが、個人的には正式発表のタイミングで「なるほど、だからマニトバだけだったのかー」と思える要素も含めて発表して欲しいものです


こうやって見てみるとこれからカナダに来て永住権を目指す人は専攻やどの州の学校に行くか等いろいろ対策を取れるかなーと思ったりしています
とは言え、これは今の傾向で学校を卒業するとき、永住権を申請するときに今と同じ傾向とは限らないというのがカナダ永住権の難しい点だったりしますが、、、

反対に私のようにすでにカナダにいて、この激戦の波を潜っていかないといけない人達にとっては厳しい道のりが続く予感です
自分が州移動しておいてこんなことを言うのは恐縮ですが、この2〜3年の間にカナダ永住権を目指す人で州移動を突破口にしたいと考えている人は「州移動しても永住権取得が難しくなった場合の対策」だけは考えた上で移動されることを強くお勧めします

今回も相変わらず手厳しいことばっかり言ってしまって、すみません


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