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四つ葉のクローバーを本に挿む

本が好きなので、出かけるときはだいたい1冊本を持って出る。そして、出かけた先の山やら原っぱやら公園やらで四つ葉のクローバーを見つけると、摘み取って、その日選んで持ってきた本に挿む。

いつの頃からか、自分の中でそういう行動が身についていた。

この記事のアイキャッチに使用した画像は、一昨年の春、ピクニックをした原っぱで摘んだもの。

↑こっちの画像は、さらに前のもの。ドライブに出かけた先の川原で見つけて、そのとき持っていた歌集の気に入った歌の頁に挿んでおいた。

あるとき、久しぶりに本棚からその本を抜き取って開くと、頁の間に乾いたクローバーが静かに現れる。

「あ、」と思う。
思うと同時に、クローバーの姿形と本のタイトルから、いつ、どこで、誰といたときのものか、記憶が呼び起こされる。

しばらくクローバーの形を眺めたり、そのときの思い出に浸ったりして、再び本に挿んで棚に戻す。

数年後、本を開いて再び「あ、」という瞬間が訪れる。

すっかり忘れて思いがけずに四つ葉のクローバーが出てくると、なんだかうれしいサプライズ。過去の自分が日常の中にひょっこり現れるようで、なかなか楽しい。
もちろん、この本に挿んだと憶えていることもあるけれど、それはそれで、思い出を辿る良い時間。
(上の2つ以外にもまだ他のクローバーもあったはず。どの本か覚えていないけれど……。)

↑今日もまた、四つ葉のクローバーをひとつ見つけた。

場所は、地元の大きな公園。幼い頃に両親に連れてきてもらって以来の思い出の場所。20年ぶりくらいに、両親と共に訪れた。

自粛が開けて、みんなでマスクをした状態で、平日の静かな公園を歩く。物々しい気配もまだ少し引きずったまま、けれども少しずつ、穏やかな日常が戻り始めている。そんな変化を感じながら、季節の巡りも実感する。私が日用品の買い出し以外で外出するのは3月の上旬ぶりだったから。街の空気はすっかり夏だ。

人間の世界に何が起こっても、自然界の時間は変わらず自然のリズムで流れているんだなぁ。

今日のクローバーには、そんな気づきも染み込んでいく。

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