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突然ですが、休職することにしました。

こんにちは、柚子です。
20代後半はきっと色々なことが起きるだろうと思い、その間に感じたことや出来事を残すためにnoteを書き始めていましたが、29歳の中盤にしてまさかの生まれて初めて休職をすることになりました。

休職という制度があることは知っていたけど、自分とは無関係なことだと思っていたのでずっと拒んでいましたが、結論から言うと休職をして本当に良かったです。
休職を考えている人もいるかと思いますので、ここで休職について簡単に書き連ねてみようと思います。

▶︎「休職は人に迷惑がかかる、できればしない方がいいこと?」

社会人1〜2年目の時、当時付き合っていた彼氏は建築業界の人でした。
大変過酷な労働環境で、新卒で入った彼はどんどん痩せこけていき、辞める辞めないくらい追い込まれていき、それは私たちの関係にも影響を及ぼし、最終的には別れました。

当時、彼の少人数のチームにいた同期が心だか体だかを病んで1年ほど休職に入ったらしく、休職だとヘッドカウントは追加でもらえないのに、休んでいる人分まで、残った人で対応しなければいけなくなり、本当に大変そうでした。

その話を知っていた私は、休職に対して物凄くネガティブなイメージを持っていました。当然残される側の気持ちに共感し、仕方ないことだけど出来れば使いたくない制度だなと思った反面、こんな権利が労働者にもあるんだということを学びました。

同時に、私は新卒からずっと、自分のやりたいことを目標に掲げ仕事においても年収においてもスキルにおいても自分の夢を叶えていく日々で
人間関係にも恵まれ、仕事が多少忙しくてもあまり苦ではありませんでした。
周りからもいわゆるバリキャリと映り、自分もそれを自負していました。
当時の自分は、休職するくらいなら辞めた方がいいと本気で思っており、それは休職にはいる、ほんの1ヶ月ほど前まで変わりませんでした。

▶︎順調は簡単に終わる、しかも自分の行動とは関係なく

27歳の冬、その3ヶ月後にパンデミックが始まる由も知らず、私は現職に転職しました。大企業で、人情とかあまりない会社で、多分水の合わない企業だったことは承知の上で、自分の修行として選んだ大企業でした。
初めは1年保てばいいと思っていたものの、時は2021年の3月、気がつけば入社してから1年4ヶ月経っており、至って順調に働いていました。
ですが、多くの企業と同じく、私の企業もコロナの影響に大打撃を受け社内が混乱に混乱を重ねておりました。

パンデミックは全てを変えてしまいました。売り上げが最優先となり、今までだったらありえなかったことがまかりとおる状態になりました。
そんなタイミングで、アサインされたプロジェクトで運悪く矢面に立たされてしまい、そこから酷い日々が始まりました。
業務量が凄いことになっていたのは勿論ですが、パワハラおよび人間関係、足の引っ張り合い、社内政治が白熱し
自分が持っている常識も人権も通らず、到底ありえないコミュニケーションに晒され、あまりの不当さに毎日辞めたいと思っていきていました。

そもそも正義感が強く、公平性やリスペクトを大事にしたい性格だったため、「サラリーマンだし、コロナだし仕方ない」ということで納得できる性分ではなく、どうにもならない問題に毎日頭を悩ませ、下らない言動に心を痛ませていました。

しかし、当時の自分には責任ある仕事があり、それも6月末までの期限つきとわかっていたため、歯を食いしばって、その不当なコミュニケーションや、仕事量に耐え抜きました。その間3ヶ月の我慢、字ズラだけ見てもとても短い期間の我慢でした。
朝から泣いてました。残業は遅くまでしてました。ひどい時は丸1週間仕事のことで頭がいっぱいになり、自宅リモートでPCに張り付き、1回も外に出ないこともありました。
その期間中も何度も辞めることを試みたものの、チームメイトに止められたり、思いとどまったりして結局やめませんでした。

しかし残念なことに約束の7月になってもプロジェクトは私の手元から離れませんでした。それどころか元々の仕事が100%手元に戻ってきて、さらにチームメイトが1人仕事を辞めたのでその仕事も一部帰ってきました。

その頃から私の調子がおかしくなり始めました。

▶︎心が死ぬ、頭が動かなくなる

6月末ごろには、一旦一番大変だった業務が落ち着いてきてきました。
ですが張り詰めた糸が切れたのか、その頃に自分のメンタルがおかしいことに気がつきました。

・前は楽しかったことに興味を持てなくなる
・好きだった勉強や読書ができなくなる
・転職をするにもどんな求人を見ても興味が持てなくなる
・何かをすることが怖くなる
・人と話しても自分に自信がなくなる、不安になる
(とても転職活動や面接ができる精神状態じゃない)
・今まで簡単にできていたことが凄く時間がかかるおようになる
・簡単なことなのに急に頭が真っ白になって何をしているのかわからなくなる

まるでエネルギータンクの中が0になり、何もできない状態で
「何もしたくない、とにかく休みたい。もう仕事辞めたい。次のことなんて考えられない。」という気持ちでいっぱいでした。

登録していたビズリーチ 経由でエージェントや、企業の人事とカジュアル面談などもしてみたのですが、私も何もハッキリした事が言えず、自分をアピールすることもできず、相手企業に関心も持てず、相手からの印象も悪く次につながらずと言う悪循環を3回ほど経てキッパリ転職の選択肢は捨てました。

あーーーー、ヤバい、このままだと私ニートになってしまう。それは本当にヤバい。燃え尽き症候群なのだろうか、これはちゃんと向き合わなければいけない。と思い急いでメンタルクリニックに予約を取り受診しました。

メンタルクリニックでは休職を提案されましたが、私はまだ休職に抵抗があり、休むなら辞めると思っていたのですが
「仕事を辞める判断を今すべきではない、そう言う大切な判断は出来るだけ延ばした方がいいの。元気になってから決めるべきだ」と言われ、暫く考えることにしました。

自分の上司にもその旨は伝え、もう少し頑張るか、休むか、辞めるかの3択で考えている。と伝えました。
上司からは特に救いの手などはなく(そもそもそれができる人たちならこんなことになっていない)、結局決めるのは自分自身でした。
その時はどれを選んだらいいのか全然分からず、とりあえずあと5ヶ月で勤続2年になるので、それまで頑張ろうと思っていました。

同時期に友人や、同僚、Twitterのフォロワーからも休職をするのはどうかと勧められていましたが、どうしても休職について良い印象がなかった私は踏み切れず、それより満2年で辞める方向で考えてしまっていました。

▶︎そして身体がおかしくなり始める

そこから2ヶ月、働き続けました。上司への訴えも虚しく、業務量の調整は入らなかったものの、パワハラをしてきた人が飽きたのか、パワハラは収まり、仕事も慣れてきて効率的に回せたのでこなせないほど逼迫していたわけではありませんでした。
ですが、今までしてこなかった凡ミスが増え、事故りまくるようになりました。仕事もどんどん遅くなり、簡単な作業に何時間もかかるようになりました。

そんな折に、喉元が腫れ出しました。それでもそのうち治るだろうと放置していたのですが1ヶ月以上腫れ続け、身体全体の調子がずっと悪く、もういよいよ業務に支障が出るくらいミスも増え、朝も起きられなくなり、ちょっと出社しただけで疲れて動けなくなりました。

状況が良くなることを祈って2ヶ月耐えたけど、もう無理だと思いました。「辞めよう。」

でも、辞めるためには今から言っても1ヶ月はかかる。その間に引き継ぎをしないといけない、誰に?
最近やめていった沢山の人たちの辞め際を見ても、最後の最後まで限界まで働かされており、より多くのものを残すように、会社が損をしないように仕事を振られていました。でも、無理だ、もう今すぐにでも休みたい。もう本当に無理だ。

もう辞める体力すらなかったそんな時に、休職という選択肢が過ぎり、急いで上司に休職する旨を伝えました。
上司は「休むのは構わないけど、戻ってきたところで状況は変わりませんよ」と言われました。でも自分にとってはもうそんなことどうでもよくて、先のこととかわからなくて、とにかく休みたい、それだけで

とりあえず最初に行ったメンクリに診断書を取りに行ったついでに、血液検査の結果を聞いたところ、何と甲状腺ホルモンの数値がおかしくなっており、甲状腺機能異常となり、とりあえず診断書は甲状腺で書いてもらうことになりました。

*甲状腺とは、首元にある器官で成長ホルモンを作っています。バセドウ病や橋本病などの病気になると、ホルモンがおかしくなり、女性は妊娠機能が低下する割とアレな感じの病気です。

▶︎柚子、休職するってよ

精神面もおかしい、身体もおかしい、これはもう絶対休んだ方がいい。
幸い迷惑をかけてしまうと心配していたチームメイトはずっと私が辞めるのではなく休むことを選ぶように勧めてくれていました。
休職したほうがいいと背中を押してくれました。

あとは誰に引き継ぐかですが、それもチームメイトや元々私が仕事を代わりにやっていた部署に戻ることになりました。
申し訳ない気持ちでいっぱいでしたが、「大丈夫、多分柚子から引き継いだ仕事落としまくると思う。でもしょうがないよね、できないんだもん。あとは会社が考えること」とチームメイトは言ってくれました。

怒涛の引き継ぎをし、最後の仕事を終わらせ、休職を申し出た次の週一杯で最終出社、そしてすぐに休職に入り、1ヶ月と1週間休むことになりました。

さて、休職に入った私ですが、忙しくて、心と甲状腺のことで頭がいっぱいでしたが、実は胃腸も相当荒れていました。
たくさん寝ようと思っていても、胃炎で全く眠れず、体調がさらに悪化し、まともに生活も送れず、急いで胃腸科に行き薬をもらって休養に専念し始めました。

数えてみると、最初に無理だなと感じたのが3月頭、そこから休職に入ったんのは8月末、おおよそ6ヶ月間我慢を続けた結果、本当に無理なくらいボロボロになりました。
こうなる前にもっと早くに辞めておけばよかったと思わなくもないけど、シンドイ時に踏ん張った経験になったとは思います。
ただ、辛いことを我慢すると、さらに辛いことが続くんだと実体験で学ぶ機会になりました。

▶︎結論:休職をして本当によかった

休職にずっと抵抗がありました。でももう休職が迷惑をかけるとか、良くないとか、そう言うことを言ってられる体調じゃなくなり、休職に至り、休職制度に心から感謝をしました。

まず声を大にして、休職して一番よかったことを言いたい

すぐに休めたこと!!!新しい仕事が振られなくなったこと!!自分の状況を周りが認識してくれること!!!

これに尽きます。辞めるまでかかる日数を考えると、甲状腺炎、胃腸炎を起していた身体も、死んでしまっていた心も、もう限界でした。すぐに休めたことは本当に私を心身共に救ってくれました。

それ以外としては、個人的に良い経験になったと思っています。
以前の私は、休職をする人の気持ちがわかりませんでした。
心を病む人の気持ちもわかりませんでした。
自分が体験するまで、何もわかっていなかったし、多分否定していました。
それは多分自分が頑張り続けるために必要な拒絶だったと思う。選択肢をなくすことで頑張り続けるためだったと思う。

でも実際に体験してみないとわからなかったことが沢山ありました。

①ずっと順調なんてありえない、他人事ではない、いつ自分に降りかかるかわからない
弊社、すごいやばい会社みたいに書いてましたが、実はすごくホワイトな会社でした。社会的地位も高くて、お給料もよくて、福利厚生もよくて、残業時間も少ないと思います。コロナ前までは。
そう、コロナじゃないければこんなことにはなっていませんでした。
やばい人間がいれば然るべき処置がされるし、常に良い状態になるような力が働く健全な会社でした。でもコロナでそれどころじゃなくなりました。
自分の能力ではどうしようもない要因で環境が変わるのを避けるのは不可能に近いと学びました。

②”心を病む”を甘く見ちゃいけない
私は今回別に鬱になったわけではありません、誰もが持っている鬱症状が強く現れたという範囲内で止まったと思うし、休職が決まってからすごく心は元気になりました。
その代わり身体に症状が沢山出てしまい、長い時間休まないといけなくなりました。心からまさかここまで身体に影響が出るとは思いませんでした。
それは私の身体があまり丈夫じゃなかったからだと思います。でももし身体が丈夫な人だったら?そしたら心が壊れるまで休めないんじゃないかなと思うとそっちの方がこわいなと本気で思っています。

③大切なことを調子の悪い時に決めるべきじゃない
私はプライドが高いので、休職よりも退職を選ぶべきだと思っていたけど、メンクリの医者が言う通り、大切なことは本当にちゃんと考えて決めた方がいい。
実際私は多分この後退職することになるのだけれど、それでも休職を挟んでよかったと思っている。何故なら一番ひどい状態で無職になる事態は免れられるからです。元気な時ならまだしも、一番弱ってて何も上手にできない時に無職になる事が自分のメンタルに与える影響は多分想像以上にキツいと思うんです。

④人事に洗いざらい話せる
私の会社の場合ですが、休職前に人事が面談をしてくれました。何が起きたのか、どうしてこうなったのかを聞いてくれて、私は洗いざらい話しました。それで何が改善するかはわかりませんが、とりあえずチクるのではなく、堂々と正式にレポートできるので結構清々します。

⑤忙しさや業務量より、人が関わって心が死ぬ
今回、ここまで大ダメージを受けたのは業務量だけのせいではありません。
確かに沢山働くのは大変ですが、それ以上に人として大切にされてないとか、パワハラがあったことが原因でした。
シンプルに言うと、社内の異常なコミュニケーションに疲れ切ってしまったのです。
もし人の合う、水の合う性質の職場環境なら、やり甲斐持ってやり遂げられる業務量でした。

最後に、どのくらいヤバくなったら休職すべきか

まず、身体的な病気の人で、業務を一旦中止して休めば良くなりそうな人は絶対すぐに休んだほうがいいと思います。
無理して続けて持病にしちゃうとか、ずっと通院が必要な身体になるのは長い目で見たときに絶対良くありません。
休職期間中は会社からの賃金は出ませんが、ずっと給料天引きされていた社会保険の中から、休業手当が出ます。絶対にこれを使うべきです。

心を病んだ人については、かなり難しく、人によって耐えられる強度が違うと思います。私は運よく(?)身体に数値として出たので休職できましたが、身体が強い人は身体はまだ大丈夫でも心が壊れてしまうことが十分起こり得ると思いました。
そう言う場合はまずは部署移動、または転職を考えた方がいいと思います。
でもそれがどうしてもできないくらいもう心がボロボロになっちゃった人は、まずは1週間とか、1.5週間とか少し長めに有給を取ってください。
一旦仕事と離れて自分のことを考られるまで回復する必要があります。
そしてしっかり休んだ後に、自分がどうしたいのかを考えて、冷静に第三者的観点から「このまま仕事を続けられるのか?続けられたとして、長期的にみて続けることが自分にどれだけメリットがあって、どれだけデメリットがあるか」を考えて判断してください。その結果、無理とか、デメリットの方が大きい場合には休んでください。

個人的な基準値ですが
迷惑をかける申し訳なさ<これ以上は自分がダメになる
となった時に休職に入ると、心の整理もつきやすいと思いました。(そして必ず自分がダメになる前に休んでください)

▶︎休職のその先は復職?

私は1ヶ月1週間休職する予定ですが、その間ほとんどは自分の有給を消化するだけになりそうです。それだけ有給が余っていたことに自分もビックリしていました。

休職して、少し元気になってからでなければ最終的な判断はできませんが、今現在の考えでは、休職を延長するか、復職してもその後2ヶ月程度勤めて退職するか、復職せずに退職する選択肢しかないです。
転職はせずに半年〜1年無職の期間を作ろうと思っております。

自分はまだ29歳で、卒業してから7年間ずっと真面目に働いて、スキルも上げてきました。市場価値もまだまだある中で
このままこの会社で身を削りながら働き続けるメリットがあまりないなと言う判断です。

また、無職の期間中は社会人になってから時間がなくてできなかったことに挑戦するいい機会にもなるなと思いました。
順調に進んでいたらこんな機会はなかったかもしれない、折角の機会を楽しもうと思うし。
人間万事塞翁が馬で、これがまたどんな良い未来に繋がっているのかもわからない訳です。

最後に、散々会社について酷く書きましたが、私の勤めている会社自体はとてもいい会社だったと思います。
本来なら海外出張に行く機会もあり、若い人に裁量と責任と予算を預けて大きな仕事をさせてくれる予定でしたが、パンデミックが起きて、かなり状況がおかしくなりました。
更にパワハラをしてきた人は、他部署の人だったのですが、過去に何人からも言動のクレームがあり、以前の部下を休職に追い込んだ実績がありました。
(仕事はめっちゃ頑張っているので、売上げが欲しいいま会社としても強く言えない状況)
加えて私の直属の上司は今年の初めに転職してきて信頼関係が築けぬままで、同僚が挨拶をしても無視するなど人間として問題がある人と言う、信じられないくらい運が悪い組み合わせと言うのも原因でした。

それでもこんな状況下でも最後に面談した人事が本件を知ってかなり怒ってくれて、復職を待っていると言ってくれたこと
こんなパンデミックでも雇用が守られ、給与が支払われ続けていたことを考えても弊社は良い会社だったと言う気持ちは変わりません。
全ての原因になったプロジェクトについても、大きな裁量を頂き、成功体験をさせていただけ、本当にいい経験をしたと思っております。

こんな時代に、誰が悪いとか、どこが問題だなど問うても何かを解決することが出来ないかもしれませんが
少なくとも私は休職をする権利があったことで、私はとても救われたと言うお話でした。



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