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 都市空間について考える

都市空間を記述で表現する。

その大きさ、質感、空気感、奥行き、流れる風。
その社会背景、経済状況。

「都市空間論」は地理学の中でも新しい研究分野である。

空間について記述することは書き手の主観を通している。そして どう捉えるかは受け手次第である。

例えば、東京駅とソウル駅の駅舎の写真を比べてみるとよく似ている。共に設計者が日本人であり、東京駅は辰野金吾、ソウル駅はその弟子の塚本靖。ほぼ同じ年代の建築物である。

しかし、実際に現地へ足を運んでみると 東京駅を先に見た人は、ソウル駅がとても小さく見える。

ソウル駅を先に見た人も、東京駅が大きく見える。

いや、実際に現地で見ると規模が全然違う。

上が東京駅 下がソウル駅

この角度からの写真を見ると、それ程大きさの違いはわからない。

しかし、次の写真ではどうだろう?

大きさの違いは明らかである。

そして、それぞれ別の国家の首都に現存する歴史的建造物であり、現役の駅舎である。

ソウル駅建設中に関東大震災が起き、規模の縮小があったという史実もある。

アムステルダム中央駅(オランダ)
これもまた、東京駅に似ている。
レンガ作りという共通点はあるが、こちらはネオゴシック様式と位置づけられている。
対して東京駅は、ビクトリアン様式である。

しかし、実際の駅舎内の造りは東京駅とよく似ていると評判である。

そして、東京駅とソウル駅は全くの異文化空間に ぽっこりと存在しているのに対し、アムステルダム中央駅は、周りの建築物と調和している。

「都市空間論」は理論構築中で、「空間」「時間」の認識や枠組みを理論化することが有効と論じられている。

どのように都市空間の論述方法が進化するのか?楽しみである。

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