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愛するもののために

 24歳になった。年が明けたからといってなにか変わらないと同じように、なのかはわからないけれど、ひとつ歳を重ねたからといってとくに変わるところはない。それでも、そうだな、なにかの理由にはしてもよいのだと思う。年が明けたから、とか、ひとつ歳を重ねたから、とかを理由に、ささやかだけれど確かなことをみつめなおすきっかけにできたらきっと素敵なことだ。

 大切にしたいものの価値を忘れてしまったり、覚えていても上手くいかないことがある。それでも私は、できるならいつまでも否定する理想主義者でありたいと思う。私が綺麗だと思ったものの価値を否定しない私でありたいと思う。生きるってことはきっとそういうことで、今もまだ心のなかだけの理想主義者なのかもしれないけれど、そう簡単にあきらためくないことのひとつやふたつはあるのかもしれない。やっぱり私は悲観的で肯定的なのだろう。

 祝うためではなくて、それを理由に愛するものに触れるのはやはりきっと素敵なことだ。

 「イゼルローンフォートレス」2回目の来航。先月初めて行ったときも強く思ったが、夢のような時間を過ごせた。料理は格別においしいし、ドリンクは言わずもがなだ。

 苦しいことや、悲しいことがある。日々いろいろなことを考える。理性と感情がともに否定的なほうを向いてしまうようなこともある。ささやかだけれど確かなことがある一方で、不確かだけれど私を捉えて離さない絶対的な力があるように思えて、やられてしまいそうになるときがある。それでも、「イゼルローンフォートレス」で過ごしたことで、そういうこととほんのひとときだとしても上手く付き合っていけそうに思えた。そしてそれは私にとってはやはり素敵なことにみえた。

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