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ビートルズのこと

僕にとっての音楽の始原はビートルズと映画音楽だ。
正確に言えば、映画音楽によって目覚め、ビートルズが扉を開いた。
ビートルズを核にして、僕の音楽世界は全ての音楽に繋がっていった。

音楽にのめり込む核になるバンドやミュージシャンは人によって様々だろう。
僕はビートルズを知ることで、その後に続くロックミュージックはもちろんのこと、ブルースもジャズもテクノもサーフもヒップホップも民族音楽もクラシックも現代音楽も聴くことになった。ビートルズを核にして世界のあらゆる音楽に対する興味が生まれ、貪るように音楽を聴くようになった。

音楽だけではなく、ビートルズを知ることで60年代という時代のことを知り、歴史やファッションや映画やアートや文学やあらゆるカルチャーについて、とめどなくのめり込む人間になった。僕は死ぬまでこんなことを続けていくのだろう。

僕にとってあらゆる音楽に繋がる核になったビートルズは、自分が音楽を演奏するようになってからも、演奏の核として彼らの存在が巨大であることを思い知らされ続けている。

ビートルズがエイトビートを刻む。
そのエイトビートのテンポをどんどんあげていけば、凶暴なハードコアのリズムになる。
そのテンポをどんどん落として重心を下げていけば、鋼のようなヒップホップになる。
彼らのビートをどんどん揺らしていくとサンバにもなる。
あらゆるビートが彼らのビートから生み出せるという発見にゾクゾクする。
ビートルズを通すことで、あらゆる音楽が同じビートで繋がる。
極めて個人的な感覚だけど。

音楽を聴き演奏することは、死ぬまで新しい発見と興奮があるだろう。
命が尽きる瞬間まで音楽を聴き演奏したい、と自分が思うようになった核にはビートルズがいる。


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