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pure as the driven snow




※勢いで書いたので都度推敲します※


pure、すなわち「純粋」なものに
久しぶりに触れました

触れましたと言いますか
触れられました、と言いますか


フィクション

ノンフィクション

果たしてどっちの話




既婚者に対して
ピュアと呼べる気持ちで
ほんの数分、いや数秒の時間で
気持ちを伝えれる人というのは
一体どうゆう思考回路をしているのだろう


恋心が芽生えたとて
指に嵌まった指輪を見た時
「あ」
って一言で終わるものだと思う



狭い世界で既婚者同士であったり
どちらかが既婚者であっても
交際という名の夜の逢瀬をするのは
よくある話

世間ではそれを「不倫」という


だけれど
そんな気持ちは微塵も感じられず
ただただ爽やかな春の風のように
けれど、日が暮れるのが早くなる
秋独特な淋しさを彷彿とさせる物言いは
どうしても受け止める側にも覚悟がいるってもんだ


そういったものは
甘酸っぱい青春期であったり
まだ汚い部分を知らない恋愛をしている
年代に相応しく
その年頃、経験値ならば
きっと異性との間で何があるか分からない
状況に置かれている日々の中
覚悟は常にしていると思う

がしかし
そんな頃はとうに昔の話


いきなり
寒い冬に暖房がついた部屋から
外に出て頬を冷たい風に殴られるほどの
衝撃はあった


ーーーーーーーーーーーーーーーーー

それは
いつも仕事前に通っている
珈琲屋さんの店員さんとの話


毎日通っているわけではなく
気合い入れたい時や
単純に眠たい時に行くことが多く
行く日は不確定で
たまに友人と会う時に使用したり
誰かを待ったりする時にも使用したりしていた


行く日は不確定だが
時間は大体いつも一緒なので
店員さんとは基本的に
よく顔を合わせる

店員さんもいつも
変わり映えしない

こちらも大体顔を覚えているので
勿論のこと向こうさんにも
顔を覚えられていて
ワイヤレスイヤフォンの音楽を止め
片方外して注文する頃には
話しかけられたりもするもんだ


「今日はチャイですか?」

「珈琲苦手なんですか?笑」

「今日も氷抜きですか、牛乳多めでいいですか?」


私が注文する前少し唸ると
そのような案内が飛んでくる


流石

伊達に一年通ってないさ

最近入った新人にだってそろそろ
顔を覚えられてきてんだぞ


珈琲が苦手だっていうのも
私から話したわけではない
きっと頼むものの統計と
一回、新作が出た時
その新作について質問したら
結構珈琲感強めとのことだったので
「甘い方が良くって」
と言ったことを覚えていてくれているのだ


接客の鏡だね


なんて思って
お気に入りのお店の一つとなった
やっぱりどんなものでも
同じ珈琲だとしても
「人」から買いたい

同じお金を払うなら
付加価値がある方選ぶのも同じ



なんて思っていたら
冬の風が頬を殴った



「結婚、されているんですよね」


待ち時間を終え
受け取りの時にいきなり声をかけられる

「え?」

いつもなら
ここで
珈琲名を言われて
「いつもありがとうございます」
と笑顔で言われて終わり


珈琲名も言われず
渡されたカップと
それについてきた言葉

追い討ちをかけるように

「ずっと良いなって思ってました」

「これからも来てくださいね」

と言われ次のお客さんの
珈琲作りに作業に戻る


何が起こったのかもわからず
なんて言いたいけれど
あいにくそんな鈍感ではない

一応、もういい大人だ

私は今
何にも発展しない
そして誰も得しない
言葉を浴びせられた


一体どんな気持ちで?



これからもきっと私は
この珈琲店を利用するだろう
結構な確率で顔を合わせるじゃないか

その時あなたはどんな対応をするの
私はどうすればいいの

なんて考えていたら
気持ちは究極に近いピュアなのだが
相手はかなりのやり手だ


カリオストロのルパンごめん
「盗んだのはあなたの心です」
と銭形のとっつぁんに言われたい

全て計算無しに巧い



言うタイミングも
否し方も

巧い



「また来てくださいね」

あなたに言われなくても
澄ました顔していつも通り
いつもの気分で珈琲かチャイかココアか
選んで受けとって仕事へ向かう
もうその頃には仕事への気持ちを作るのに
必死だし、音楽に結構全集中だ


けれど
今日1日は
そうはいかなかった

お店を出てからも
頭の中で言葉を反芻する

「ずっと良いなって思ってました」

いやいつからだ

ずっとっていつ


流石に仕事が始まってからは
そんなことを考える余裕もなく仕事をこなし
いつも通り家へ帰り疲れ果て寝た


それから数日

今ようやくこうして
頭の中で咀嚼できた言葉を紡いでいる



あなたは言った

確かに言った

「ずっと」


そのずっとの間も私は毎日
結婚指輪を嵌めていたし
間違いなく既婚者だった


特に深い話をしたわけでもない

なんならお互い名前も知らないし
あなたは私の仕事も知らないだろう


そんな私の何が良かったのか

そんなことを聞く
勇気なんて1ミリも持ち合わせていない

だが
いいと思ってくれていたのだ


長いようで短い
人生のなかで少しでも
私はあなたの中で
いいと思った人
に入れていたわけだ



なんて無駄な時間を
という言葉が頭を
スーパーカー並みのスピードで過ぎったが
すぐ消えた

自分の時間だ

どう使ったっていい


私がこれから先
あなたとどうにかなる可能性なんて
1%すらもない


けれどあなたには更に
疚しさなんてものは感じられず
私が思考を巡らせるほどのことでもなかった


私には
あなたがどうゆう気持ちなのか
なんで言葉を向けたのか
考えても分からないけれど
それでも珈琲は買いに行く



ピュア オブ ピュア
な気持ちを結局のところ
咀嚼して飲み込めても
消化はできずの状態で



日常にこんな
とんでもない落とし穴があるとは


人生ってなかなか面白い




これからは更に寒くなる

手袋をする季節になる

手袋の下にはいつも通り結婚指輪を嵌めているが
あなたにはその指輪は見えない








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