恋のキューピッドみあん~魅羽奈~

 私、恋のキューピッド事務所を経営している・・・・・・
「おいみあん!」
そう、私がみあん。120・・・・・・じゃなくて、10歳。って誰が先に言ったのよ!私、全然自己紹介できてないような気がするけど・・・・・・気のせい?作者に文句言いに行ってやろうかしら。
「手紙だぞ!」
シオンが何か言ってるなぁ。
「先に見といて!」
私は作者に対する怒りをシオンにぶつけた。シオンは、私の部屋に勝手に入ってきた。
「ちょっとぉ、部屋に入るときはノックくらいしてって言ってるじゃん。」
私がそういうと、シオンは
「そうじゃなくて。これを見ろよ。」
といって私に手紙を見せてきた。

あたしの特製惚れ薬を無駄にしたわね!作るのに何時間かかったと思ってるのよ!後、最近仕事が増えてきてるからって調子に乗らないでよね!
はーほんっとムカつく。はやく私のとこにも仕事来ないかなー。

PS 明日、あんたの家にある惚れ薬を全部泥棒するから。覚悟しといて。
                          魅羽奈(みうな)

最後にみうなって書いてあるのってまさかだけど。
「私が漢字読めないとでも言いたいわけ!馬鹿だって言いたいの?ふざけないでよ。私だって・・・・・・あ、読めないわ。」
「読めないって言ってるんだから、良かったじゃないか。」
しっかし、魅羽奈ってどっかで聞いたことあるような・・・・・・。
「魅羽奈ってさ、・・・・・・」
「ああ。あいつだ。」
あいつ?
「魅羽奈は・・・・・・。」
「私を抜いて、何話してるの?」
わぁ!
「姉ちゃんか。」
シオンが言う。
「二人して魅羽奈のことを話しているなんてね。」
「お姉ちゃん!知ってるの?教えて!」
私がいきよいよく言うと、お姉ちゃんは戸惑ったように話し始めた。
「魅羽奈は私がキューピッド学校の時の優等生よ。そうねぇ、彼女は
1人でいることが多かったわ。秀才、美少女、運動神経抜群という3つもいいところがあるのに、誰とも話そうとしなかった。彼女はクラスで孤立していったわ。でも彼女、1人でいる時が1番幸せそうだったわ。彼女はその内、恋愛ドージョーに行ったわ。」
れ、恋愛ドージョー!そこは、キューピッドだったら1度は憧れる仕事場だったからだ。25人に3人くらいしかその仕事にありつけないほど。みあんだってそこを夢見ていた。
「ってことはさ、私、恋愛ドージョーの人にライバル視されてるの?
 それって人気が出てきたってことじゃん!」
私は素直に喜んだ。
”ピンポーン”
インターホンが鳴った。
「は~い。」
私が上機嫌で外に出ると、
「邪魔すんぞ。」
と誰か。
「邪魔するなら帰ってー。」
一回言いたかったんだよね。
誰かが家に入ってきた。不審者みたいだった。なぜなら、
・黒いマスク
・帽子を深くかぶっている
・サングラス
・口調が荒い
という点があったからだ。 
「どうされました?」
とりあえず私はお客さんに質問した。
「うるせー。私は客じゃねえ。」
「お名前から教えてください。」
「・・・・・・魅羽奈。」
「相談する内容は?」
「だから、私は客じゃねえ。」
「そうですか。大変ですね。」
「聞いてるのか?」
「そうなんです!」
「ダメりゃこりゃ。」 
「わかりました!必ず希望にこたえます!」               
「何が言いたい?」
「魅羽奈さんの恋を応援したいということです。」
「ふざけるな!」
「「ふざけてないです。」」
「誰だ?」
「私よ、魅羽奈。」
「あんたは!」
おお、覚えてるのかな?
「誰だっけ?」
覚えてないんかい!
「私はりあんよ!本当に覚えてないの?残念だわ。」
「覚えてないものは仕方ない。」
そうだね。覚えてないものは仕方ないもんね。
「そっか~。卒業写真見たら思い出さない?シオン、卒業写真持ってきてー。」
シオンはお姉ちゃんに言われて卒業写真の入ったアルバムを取り出してきた。
「これこれー。魅羽奈、覚えた?」
「ああ、思い出した。あのなんか転校ばっかしてる奴だ。」
「そうよ。行った学校は、
 ・不良がいっぱいいる学校
 ・お嬢様学校
 ・トランプ学校
 ・死神学校
なの。」
「どんだけ転校してんの?」
とシオンが呆れて言うと、お姉ちゃんは、
「仕方ないじゃない、移動恋愛相談所のレイナさんの助手をしてたんだから。」
と言った。魅羽奈さんは
「レイナさん⁉」
と驚いた。レイナさんはキューピッド業界で知らない人はいない。レイナさんは様々なキューピッド事務所を潰してきたのだ。 
「それより、惚れ薬はどこだ!」
と無理矢理魅羽奈さんが言った。
「え?私は惚れ薬、作ったこともあるけど今はないよ。」
「な、何だと!!?」
と魅羽奈さん。
「知らないかもしれないけど、惚れ薬って危ないから、
 ~人間界公式アカウント~で禁じられてるんだよ。私は作りたくもないし。」
「そうか。私の完敗だ。でも、次来た時は絶対に勝つ!シオン、りあん、あんた達にも興味を持った。また来るから。それと・・・・・・仕事の邪魔はすんなよ。」
仕事の邪魔はすんなよ。という魅羽奈さんは、今まで話していた時よりも冷たかった。
「え?」
「エイリーのことだよ。まあ、アイツは元々態度が気に入らなかったけど。りあん、明日空いてるか?一緒に串カツ屋に行こう。」
な、仲いいのかな?
「承知。じゃ、早いとこ帰った帰った。」
とお姉ちゃんが言って、魅羽奈さんは帰っていった。
「嵐みたいな人だったね。」
と私。
「そうだな。風呂に入ってくる。」
とシオンは言ってお風呂に向かった。私も、声を出したくない人用に自己紹介シートを作りに行った。










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