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【今日読んだ本】とっぴんぱらりの風太郎(万城目学著)

読書記録として。


ストーリー

時は戦国、豊臣から徳川の時代への大転換期。
重なり合った不運の末に、あえなく伊賀の国を「クビ」になった忍びの者、風太郎。
しかたなく出た京でぼんくらな日々を送るなか、彼が出会ったのは一個の「ひょうたん」。
老獪に語りはじめる謎の「ひょうたん」に誘われるようにして、風太郎の人生は時代に翻弄されながらも転がり始める。
第150回直木賞候補
2014年本屋大賞ノミネート作品
(Amazonのサイト内本の概要より)

書き出し

そもそもが、こんなはずじゃなかった。
何がどう間違って、こうもにっちもさっちもいかぬ羽目に陥ってしまったのか。あまりのどうしようもなさに、自然と笑いがこみあげてくる。ほとんど感覚のなくなった唇の端をひん曲げ、無理に笑ってみるが、もちろんおかしいことなんて、これっぽっちもありゃしない。

感想

まきめっち!(万城目学を勝手にこう読んでいるのです)
また素晴らしい本を書いて(涙)
くっそおお(褒めている)

かなりのボリュームだったけど、最後は2時間くらい夢中で読んでいた。
はっ!と顔を上げると、読み始めたのが、そろそろお昼ご飯食べようと思っていた頃(正午)だったのが、14時になっていた。
お腹空いているのを忘れて最後まで一気読みしました。

先月奈良に旅行に行き、ひさしぶりに『鹿男あをによし』を読み返したいと思いまして。

奈良公園の鹿(角ありの牡鹿さん発見)
「鹿男」に行基像の前で待ち合わせのシーンがあり、そこに行った!と嬉しくなりました(笑)

さっそく読み返したら、やっぱり面白い。万城目ワールドに浸りたい~と。
で、図書館で、あの分厚い一冊(前後編にわかれていないほう)を借りてきまして。

ネタバレになるから書かないけど、ラストに向かう風太郎の決意というか、そのあたりから、もう、本を置くことができなくなっちゃって。
読み終えて、うわーーーん(感動)となっていました。

実はこの本、万城目学初の歴史小説だったそうで。
いつも歴史上の人物とか、歴史の話が登場するから、はじめての歴史小説だと気付かず読んでいました(笑)

主人公は忍びなのですが、へまをしてクビになり、殺されたことにして、京都に流れてきます。普通はへまをしたら殺されておしまいなのですが、あまりにへなちょこすぎて運がよかった、といいますか。
まあ、それもあとから、なるほど、そうだったのかと流れるのですけどね。

「忍び」に関しては、一般的な知識しかなく。たぶん私の一番のネタ元になっているのは『ナルト』だし(参考にならない気がする)
『鬼滅の刃』あたりでも音柱の過去のエピソードなどから、忍びの過酷さが表現されていたけれど。
主人公の風太郎もなりたくてなったわけじゃない。親を失い住むところがなくて、野垂れ死にするところを助けられ、忍びの館に連れていかれて。
毎日が厳しい訓練で、任務じゃなくてたかが訓練でも失敗すれば死という環境で生きるため、えげつないこともしていかなくてはいけなくて。
だから仲間も信用できなくて。
実際に、任務で組んだ仲間であっても、上の命令とあれば、こ〇しちゃうし、こ〇されちゃう。
中盤でいくさのシーンが出てきて。ただでさえ戦争はしんどいのに、忍びの戦いとなると、もっとえげつなくてすごく苦しくなって、風太郎…ってなったけれど。
戦いのあと、ある人のある言葉で少しだけ光を見つけられそうなシーンがあってホッとする。

ずっと影を引きずり、傷を負ったままだからこそ、終盤はもう、切なくて、なんでだよおおって泣きたくなる。

秀吉といえばひょうたんのイメージがあると思いますが。
そのアイテムをそんな使い方するんだ!(さすがまきめっち)となりました。
万城目学さんの世界観から見る日本史はめっちゃワクワクしちゃうし、そう来たかと毎回やられちゃいますね。

しばらくまきめっちの本読みまくろうかな。
(私は並行読書であると同時に、いつも特定の作家さんの本をある程度読み切るまでローラー読みしちゃうタイプなので)

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