チョコとお姉さんの毎日 1

新しいお家へ

ぼくは、シマリスの「チョコ」。
ちょこまかと、よく動くから「チョコ」って名前なんだ。
それに、シマシマがチョコレート色だから。

ペットショップで生まれて、あるお家(うち)に迎えてもらったのだけど、事情があって、すぐにサヨナラすることになった。


今日は、ぼくを家族にしてくれる別のお家に行く日。
そのお家のお母さんが、ぼくを迎えに来てくれた。

お家に着くと、ぼくのために仮のお部屋を作ってくれた。

「ここに居てね」
と言われたけど、お留守になった間に、抜け出して探検を始めちゃった。

夢中になって、跳び回り、駆け回った。


探検をしているうちに、お姉さんがお仕事から帰ってきた。
あれがうわさのお姉さんか……。
前のお家の人と、お姉さんのお母さんが、よくお姉さんのことを話していた。

お姉さんがぼくのお部屋を覗いて、
「あれ?……居ない。抜け出したかな?」
と、ぼくを探し始めた。

お姉さん、かくれんぼだよ。探してみて♪


お姉さんがぼくを探し回っていると、お母さんが帰ってきた。

ふふっ…。
二人とも、必死だ。
ぼく、かくれんぼの天才かもしれない!

あ、でも、見つけてもらえないままじゃ困るなぁ。
ほらほら、ここだよ。


あーあ……。
今夜は二人とも、ぼくを見つけられずに諦(あきら)めちゃった。


***

konekoさんのマガジン「konekoのおもちゃ箱」の趣旨に賛同し、寄稿用にアルファポリスより転載しました。
3日間連続で3話までを連載します。
既にWritoneで音声化されていますが、Writone以外の場でも音声化歓迎です。

2021年3月18日、konekoさんが私の寄稿を記事で話題にして下さいました。

2021年9月15日、この作品のイメージ曲ができました!

作曲者はPJさんです。

曲ができた経緯


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