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標準語(共通語)化されて欲しい名古屋ことばの敬語「みえる」

※Xで投稿した内容をnoteで書き改めています。

名古屋ことばの敬語の中に、標準語(厳密には、共通語)化されて欲しいものがあります。
「みえる」です。

意味や用法は、標準語の敬語「いらっしゃる」のほか、関西で使われる敬語の語尾「〜はる」(例:「してはる」)と同じです。

文字数が少ない上、使える場面が多く、標準語の「いらっしゃる」ほどは形式的な印象を与えにくいという利点があります。
濁点が入らないので、響きも良いです。

映画の日本語字幕で使用された事例もあり、敬語に関するネット記事では、まるで標準語のように扱われている事例も散見されます。

ネット記事に関しては、「みえる」が地方限定の敬語表現だという認識のないライターさんによって書かれたものだと思われます。
記事は、掲載媒体のチェックが入らない場でも、個人的に書けるからです。

私は小学校時代の国語のテストで敬語に関する出題があった時、「居る」の敬語を「みえる、おみえになる」と解答して、しっかりと不正解になりました。
不正解の理由は、標準語ではないということも言われました。
それで「みえる、おみえになる」が教科書に載っておらず、授業中にも登場しなかったことに納得しました。
(それでも、あえて解答してみたのです。これもありますよね? という意味を込めて。)

そのような経験がある者として、標準語を使う場面で「みえる」を使うことはしませんし、敬語関連のネット記事で標準語扱いをされているのは、どうなのかとも思っています。

その上で、標準語(共通語)化されたら便利だと思っています。

時代をさかのぼれば、高貴な方々は御簾の向こう側にいらっしゃり、お姿を拝見できるのは特別なことでした。
「みえる、おみえになる」の語源は未確認ですが、そのようなことではないかという仮説を個人的に立てており、元々はもっと広い範囲の地域で使われていた言葉でも、不思議はない気がしているのです。

そんな個人的な仮説や思いも、標準語(共通語)化されて欲しい理由のひとつです。

なお、標準語と共通語の違いについては、リンク先をご参考に。
国立国語研究所「ことば研究館」の該当ページです。

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2023年9月26日に表示された通知

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