チョコとお姉さんの毎日 2

お姉さんと初対面

お腹空いたなぁ。

夜中にこっそりと仮のお部屋に戻って、ご飯を食べた。

かくれんぼは、まだ続いている。
お部屋の外で寝よう。
ふかふかな所で。

── 朝 ──

お姉さんは、ぼくに会わないままお仕事に行った。
お母さんはお休みの日だから、ぼくにちゃんとしたお部屋を買いに行ってくれるんだって♪
お部屋を用意したら、ちゃんと見つけてくれるかな?

よし、今日もかくれんぼしながら、お家(うち)の中を探検だ。

── 昼過ぎ ──

あっ、美味しそうなものがある!

ガシャン!

えっ!?
今の音は何?

思わず食べていたものを落したぼくは、閉じ込められた空間の中でぐるぐる回って、出口を探した。

出口、ない。
せっかくだから、美味しいものは食べておこう。


出るのを諦めて、食べるのを再開したら、閉じ込められた空間とぼくのお部屋らしい空間がつながった。
お母さんはぼくを捕まえるために、ペットショップで「ねずみ捕(と)り」というものを借りたらしい。

そして、ねずみ捕(と)りとつながったのは、やっぱりぼくのお部屋だった。
2階建てで、回し車あり。
前のお家から持ってきた木の巣箱は、2階に置かれている。
お皿には、ひまわりの種がいっぱい。

── 夜 ──

8時過ぎ、お姉さんがお仕事から帰ってきた。

ぼくがお部屋の中に入ったいきさつを聞くと、
「うまいこと考えたね」と、お母さんに言った。

そして、ぼくの姿を見ると開口一番(かいこういちばん)、
「かっ…可愛い!」と、お目めをキラキラさせながら言った。

うん。ぼく、よくそう言われるよ。


***

konekoさんのマガジン「konekoのおもちゃ箱」の趣旨に賛同し、寄稿用にアルファポリスより転載しました。
3日間連続で3話までを連載中です。
既にWritoneで音声化されていますが、Writone以外の場でも音声化歓迎です。

2021年3月18日、konekoさんが私の寄稿を記事で話題にして下さいました。

2021年9月15日、この作品のイメージ曲ができました。



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