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ファミリーマート和式トイレ事件。

季節外れの暑さがつづいているが、気がつけばもう11月。
ハロウィンも終わり、世の中はクリスマス街道まっしぐらだ。

この季節になると、きまって思い出すことがある。そう、あの大惨事を。

ぼくが小学生5年生のとき、家族で日帰り旅行に出かけた。

父が運転する車に乗っていたぼくは、どうしてもトイレに行きたくなってしまった。小さい方ではなく、大きい方だ。つまり、うんこだ。

「うんこ漏れそうだから、トイレに行きたい。」

「また!?しょうがないね。。」

そう、ぼくは頻尿だ。いや、いまは関係ないか。

たまたま進行方向にファミリーマートを発見し、駐車を終え、ぼくは飛脚さながらに店内へ駆け込んだ。

店員さんの「いらっしゃいませ」も耳に入らないスピードでトイレへ向かうと、幸運にも未使用の状態だった。

「よっしゃ!ついてるぜ!」

便器が和式なのはかなり気がかりだったが、もうそんなことは関係ない。
もう漏れそうだった。ギリギリの状態だった。

そして...ホールインワン。

トイレでホールインワンなのは当たり前か。

トイレでホールワン以外、たとえばバーディだった場合って、どういう状態だ?いや、いまは関係ないか。

要するに、漏れる前に、便器に出すことができたのだ。

「ふぅ...」

安堵感に浸っているとき、トイレの扉の方から物音がし始めた。

トイレの近くにあった雑誌棚の整理なのか、なにかしらの作業をしているんだろう、そう思っていた。

しかし、それにしてはかなり近くで音がなっているような気がする。
ぼくはトイレ掃除の線も考え始めた。

「まぁ、鍵かけてるからだいj….」

ぼくは気がついた。

「鍵をかけていない...」

しかし、時すでに遅し。万事休すとはこのことをいうのか。

和式トイレで踏ん張っているときに、店員のおばさんがトイレ掃除のために個室へ入り込んできてしまった。

「きゃー!!!!ごめんなさい!!!!」

おばさんに、恥部をすべてを見られてしまった。。

「ゼ、ゼンゼンダイジョウブデスヨ...!」

ぼくは、動揺からか、大声でそう言葉を返すことしかできなかった。

みんな、切羽詰まっているときこそ冷静に。
そして、トイレに入ったらまずは鍵をかけよう。
人に迷惑をかけて、不快な思いをさせてしまうよ。

ことを終えたぼくは、ファミリーマートを駆け抜けるように出ていった。

もう11月か。

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