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レールは現場でそんなにきれいに曲がらない

2023年7月

勤務先はホームユースメインなので戸建て住宅やマンションの窓まわりがメインなのですが、たまに店舗のお客様も来店されます。

今日のお客様はサロンをオープンされるそう。
「こんな感じにしたいんですけど」
と見せられた写真が

(こ、固定吊り棒でUの字型にレールを吊るしてるー!?)

どうやら施術ベッドをぐるっとU字型に囲む形のレールを天井から吊ってるようなのです。
「この写真元の業者にも問い合わせてるんだけど、遠方だしちょっと高くて時間もかかっちゃって〜そちらがもうちょっとお手頃ですぐやってくれるなら考えるんですけど〜」
「きれいにU字をご希望ですか?四角の角をアールで納めるくらいではだめですか?」
「それじゃ病院のベッドのカーテンみたいでかわいくないじゃないですか〜」

うーん、これは難しいのでは……?
今回難しいポイントはふたつ。

1.レールは現場でそんなにきれいに曲げられない
現場で曲げられるレールといえば、トーソーだとリフレやセルフィがありますが、現場で曲げる程度なのでせいぜい出窓の角、部屋の角をカーブで納めたい時用って感じです。それ以上のカーブは現場で頑張って曲げても、多少歪んだ曲線になってしまうのです。その他のレールで角だけを丸くしたい時は50センチ×50センチなどのカーブレールをジョイントしています(最初に角だけ丸いのでは駄目なのか聞いたのはこの為。角だけなら話は簡単だったのに…)。

2.固定吊り棒で吊れるレールは限られる
吊り棒で吊れるレールも種類が限られます。前述のセルフィかニューリブになりますが、ニューリブは現場で曲げられないし、セルフィは今回のような見せ場としてのレールとしてはうーん、どうだろう………(要するにちょっとデザイン性が)。
となると、ニューリブを工場で曲げて出荷してもらう、という選択肢に。
曲げたレールをどうやって搬入するか、自社の施工スタッフで施工できるのか、人数は最低何人必要か、まで考えると即答できる案件ではありません。そもそもこんな特注カーブレールの値段なんてざっくりいくら、も分からない。
多分これ、店舗の設計者さんと一緒に考えた方がいいんでしょうね。工事現場にレールを直接納入とかもできますし。下地も含めて天井作れますもんね。私は店舗デザインとか全く未知の世界ですが、お店のインテリア考える方のこういうお話し聞いてみたいなぁ。

話が逸れましたが、今日のお客様には以上のような事情を説明し、すぐにお見積もりなどは難しいため時間をいただきたい旨をお伝えしました。
「そうですか〜じゃ、いいです」
あからさまに「期待外れ」の表情を浮かべて帰っていかれました。
安くすぐできるって期待されてたのだったら申し訳ないけど……









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